第65話 蚊だって生きている
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ら一枚のカードを引き抜く。
カードを引き抜き、それを自分の山札に加えたのを確認した後、沖田の不気味な笑みが浮かび上がった。
「げっ、これババじゃねぇかよ!」
「ふん、この俺の裏をかこうなんざお前じゃ無理な話でぃ」
「ぐぬぬ……」
沖田の勝ち誇った笑みの前に苦虫を噛み潰したような顔をするヴィータ。だが、時既に遅し! 一度取ったカードを戻す事など出来る筈もなし。見事にしてやられたと思って諦めるしかなかった。
「にしても総梧兄ちゃんババ抜き強いなぁ。今の所総梧兄ちゃんの連勝やん」
「お前らが弱すぎるんでぃ。俺からして見りゃお前らの考え方は筒抜け状態だからな」
そう、今一同は床に伏せている近藤の真横で暇を持て余す為にとババ抜きをしている真っ最中であった。
「って言うか、僕たちだけこうしてババ抜きしてて良いんでしょうかねぇ? さっきは勢いで銀さん達だけに行けって言っちゃいましたけど」
「気にする事ないネ。ギャグパートの銀ちゃん達は不死身だから刺しても切っても死なないネ。だから安心してどっぷり構えてれば良いアルよ」
「どっかりね。ってか、流石にギャグパートだからって銀さん不死身にはならないと思うよ。確かにギャグパートの銀さんはシリアスパートに比べて幾分か頑丈な気がするけど、だからって不死身ってのはないんじゃない?」
そう言いつつ一枚カードを抜き、その中から二枚のカードを真ん中にポイ捨てする新八。
「大丈夫だよ新八君。神楽ちゃんの言う通りお父さんはギャグパートだと不死身なんだよ。その証拠にこの間起きなかったお父さんの顔面に熱々の鍋落としたんだけど暫くしたら元通りになってたから」
「どんだけ酷な起こし方してんの君は! 一応銀さんってなのはちゃんのお義父さんだよねぇ? そんな起こし方してたら何時か銀さん顔水ぶくれでアンパンマンみたいになっちゃわない?」
「………」
新八の問になのはは答えなかった。ただ、無言のまま目元が暗くなり不気味に微笑む姿が其処にあった。
間違いない、この子銀さんの顔がアンパンマンみたいに膨らんだ光景を連想して笑ってるんだ。
黒い、余りにも黒い。この子にはどっちかって言うと白のイメージが定着している筈なのにその中身は真っ黒であったのだ。
一体、何が彼女を此処まで変えてしまったのか? まぁ、思い当たる節は沢山あったりするのだが。
「そんな事よりもさぁ、早くカード取らせてよ。そんなに持ち上げてたら私取れないんだけど。他人の身長考えてよ」
「あぁ、ごめんごめん」
急ぎなのはの目の前にカードの山札を近づける。そして、その中から一枚取り出して手元に持っていく。
「やったぁ、今回は私一番!」
「やるじゃねぇか、この俺より先に上がるなんざぁよっぽどの事だぜぃ」
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