第65話 蚊だって生きている
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かあの化け物を退治しちゃうなんて」
「えっへん! そらそうや。なんせ私は皆の主やからな。これくらいでけへんと示しがつかんからな」
「面目次第もない。こうなればこのザフィーラ。盾の守護獣の二つ名を返上するつもりです」
「私も、湖の騎士の名を返上した方が良いかも知れないわねぇ。しょんぼり」
今回全く活躍できなかったシャマルとザフィーラがしょぼんとしている。そんな二人の肩をヴィータが軽く叩いた。
「元気出せよお前ら。今回何も出来なかったってんなら次で挽回すりゃ良いじゃねぇか」
「そうそう、一回の失敗ごときでくよくよしてたらあかんよ。人生は長いんや。もっと気楽に行こうや」
ヴィータとはやてのその何気ない一言は二人を元気づけるには充分過ぎるほどであった。その言葉を受け、二人は再び立ち上がり、硬い決意の元、今度こそは主をその身を挺してでも守る事を誓うのであった。
そうして、ヴォルケンリッター達と主との間の絆はより一層硬く深い物へと変わっていくのが周りの皆にも分かるのであった。
「ちょっとちょっとぉ、沖田さんやはやてちゃん達ばっかり褒めないでよぉ。私達万事屋メンバーだって頑張ったんだからねぇ!」
「いやぁ、すまんすまん! そうだったねぇ。それじゃ後で皆にはおじさんが昼飯をごちそうしてあげよう。勿論、俺のおごりだ! 何でも好きな物食ってってくれ」
「わーい、やったぁ!」
「きゃっほぉい! ゴリラ太っ腹アルゥ!」
「いやぁ、ごちそうになりますよ。近藤さん」
近藤の太っ腹な発言に大手を振るって喜ぶ万事屋メンバー達。
皆が笑顔で新しい一日を迎える事が出来た。めでたい話である。
だが、少し気掛かりな事があった。
「そう言えば、トシはどうしたんだ? それにシグナムの姿も見えないんだが?」
「って、そう言えば旦那の姿も見えませんねぇ、何処行ったんだろう?」
まわりを見ながら近藤と山崎、そして隊士達が視線を泳がせる。
そう、この輪の中に坂田銀時、土方十四郎、シグナム。この三名の姿が見えないのであった。
すると、沖田がまるで呆れ果てたかの様に目を細めながら口を開いた。
「あぁ、あの三人ならその女のすぐ近くで延びてましたよ」
「何? 本当なのか総梧!」
「えぇ、あのままにしておくのも何かあれだったんで、部屋まで運んで寝かせたんですけどねぇ……どうやら、今度はあの三人が目を覚まさないようですぜぃ」
「全く情けないアルなぁ。たかが蚊みたいな天人如きで気絶するなんて、銀ちゃんは今日からビビり決定アル!」
「そこに土方さんとその腰巾着も付け加えるべきだな。ま、とにかく、あの三人だったら今頃布団の中で唸ってる最中でしょうぜぃ」
***
「あ、赤い着物の女が
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