第65話 蚊だって生きている
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赤い着物の女は化け物か!?」
などと、3,40代のおっさん辺りが聞いたら喜びそうなセリフを吐く余裕があるようにも見えるが実際銀時達の理性はマッハでガリガリ削り取られている状況であった。このままでは事件の首謀者を前にして発狂する危険性も危ぶまれている。
「お、おおおおい! お前ら何とかしろよ! こんな時の真選組だろ? 今すぐ善良な市民を助けてくれよ!」
「は、ははははぁ? ななな何をトチ狂った事言ってんだてめぇは! おおおおいシグナム、お前は何か聞こえたか?」
「い、いややや……わわ、私のログには何もないが?」
「んだてめぇら! こんな時に役に立たなくてどうすんだよ! しっかりしろよぉ武装警察ぅぅ!」
「てんめぇ、誰がてめぇみてぇな人間助けるかってんだ! 俺達は善良な市民は守るがてめぇみてぇな社会のルールからはみ出した野郎を守る義理はねぇ!」
こんな時でも喧嘩を絶やさない流石銀魂クオリティ。と、地の文は盛大に褒め称えるのであった。
そんな間でも、赤い着物の女は空を旋回しながら三人に奇襲を仕掛けてくる。
相手が幽霊で、しかも空を飛んでいるのであれば手の出しようがないのであった。
「ってか、シグナム!」
打つ手が封じられたかと思われた正にその時、銀時は大声でシグナムの方を見て怒鳴った。
「な、何だ?」
「お前、さっきあれだけ啖呵切っといて結局それかよ! ほら、お待ちかねの化け物だぞ! さっさと退治しろや!」
「な、貴様それでも男か! あんな化け物退治を女一人にやらせようと言うのか? 見損なったぞ!」
「おめぇがあんだけ自信満々に啖呵を切ったからだろうが! それにお前あの有名な烈火の騎士様なんだろ? 化け物退治はお手の物なんだろ? だったらさっさと退治してくれねぇかなぁ? このままじゃ夜も安心して眠れないんだよなぁ?」
言葉の度に区切り、チラッチラッとシグナムの反応をうかがって見せる銀時。明らかにわざとらしい振りなのは明白な事であった。
「おい、これ以上シグナムを責めるのは止せ!」
「じゃぁ、お前があいつを退治すんのか? 出来んのか?」
「・・・・・・」
銀時に言われ、土方は上空を悠々と旋回する不気味な怪物を目の当たりにした。そして、目の上辺りが真っ黒になり、そのまま無言でシグナムの両肩を掴んだ。
「頼む、シグナム! あいつを倒せるのはお前しかいねぇ! 俺に代わってあいつを召し捕ってくれ!」
「貴様もか土方!」
上司に裏切られ、哀れシグナムは単身赤い着物の化け物と対決させられるフラグを立てられてしまった。
銀時と土方は完全に及び腰状態になってしまっており、嫌がるシグナムの背中を押して無理やり前進させ始めたのだ。
「止めろ! 貴様らそれでも侍かぁ!」
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