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駄目親父としっかり娘の珍道中
第65話 蚊だって生きている
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 昼よりも夜が怖いと思う人は案外多かったりする。
 視界が悪くなるだけだと言うのだろうに、それだけのせいで妙な不安感を覚えてしまうのではないだろうか?
 「そんな訳ない、俺は夜を制した男だぜ、イエイ!」 などと勇敢な発言をしている方が居たらその場合は「さいですか」とスルーさせていただく事にする。
 何しろ今回の話は暗い夜中をおっかなびっくりしながら読んで貰いたい話でもあるので。
 ホラー風に纏めたい所ではあるのだが、如何せんこれを書いてる作者本人がホラーなんて書いた事がないので無理でもある。
 読んだ事はあるけどね。




 空には真ん丸と満月が昇っている。
 何時もとは違いほのかに明るい夜空だ。
 だが、そんな夜空の下であったとしても、建物の中は不気味に暗かったりする。
 どれ位暗いかと言うと、押し入れの中に明かりも持たずに入った時な位の暗さと不安感がダブルパンチで襲い掛かる感じだ。
 もし、過去に押し入れに閉じ込められた経験がない人が居たら、是非一度試してみて欲しい。その結果どうなったとしても当社は一切責任は負わないのであしからず。
 とにもかくにも、そんな暗い夜の中で、頼りになるのと言えばか細い懐中電灯が灯す光程度。
 だけど、この光がまた恐怖感を煽ってしまうのだから溜まったものじゃない。
 そんな事を懐中電灯を持っている坂田銀時本人は思っていた。
 何でこんな事になってしまったのか。
 思えば、前回の最後辺りで見栄を張ってあんな事を言ってしまったのが事の発端だったのであろう。
 何て言ったかは前回を見て貰えば分かるので前回を参照してほしい。
 んで、両隣に居る土方とシグナム共々見栄を張ってそんな事を言ったもんだから「じゃぁ、後は宜しくお願いしますね」と軽く流されてしまい一切を任される形でこうして夜中の屯所内をうろつく結果となってしまったのであった。
 自らが招いた結果とは言え、あんまりな話でもあった。

「畜生、屯所なんだから通路に明かり位つけとけってんだよ! これじゃ暗くて何も見えねぇじゃねぇか!」

 苦し紛れに苦言を漏らしてみたが、返って恐怖感が増しただけに終わった。
 この状況ではどんなボケも空振りするどころか逆効果になりそうだ。

「馬鹿かてめぇは! そんなムダ金何処にあるってんだよ」

 沈黙に耐えかねたのか土方が必至になってツッコミを入れた。
 そんな彼のツッコミを受けて銀時が黙る筈がない。
 即座に振り返り土方の顔を照らしながら睨みを利かせた。

「あるだろうが! 俺たちから散々税金搾り取ってるんだからよぉ! ちったぁ庶民に親しみやすくする努力しろってんだよ!」
「だからって屯所を改築する予算がある訳ねぇだろうが! 家だってピンキリ状態なんだよ! ってか、熱っ!
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