マクロスF
0804話
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の掛かった料理をスレイと2人、話をしながら口へと運んでいく。
やがてデザートのケーキを食べ終えると、会計を済ませて店を出る。
尚、ギアス世界では金を稼ぐような行為はしていなかった為、今回は大人しく光明で空間倉庫の中にある宝石を数個換金しておいた。
ともあれ、レストランを出た後は夜の街をスレイと2人で肩を寄せ合って歩く。
と、道の先にふと場違いな物を見つけた。
古道具屋と思しき店だが、そこに飾られているのは大理石で出来た、壺を持った女を彫った彫刻。芸術に詳しくない俺がちょっと眺めただけでも、かなりの価値があるというのは理解出来る。
それはスレイも同様だったのだろう。思わず溜息を吐いて目の前にある彫刻へと目を奪われていた。
「これはまた、こんな場所にあるとは思えないような一品だな」
「まぁ、普通はそうだね。ただ、このご時世だ。お取り潰しにあった貴族の持っていた美術品が流れるのは珍しい事じゃないさ」
独り言のつもりで呟きに返ってきた言葉に、そちらの方へと視線を向けると、そこにいたのは30代から40代程の中年の女。
口元に笑みを浮かべつつこちらへと視線を向けている。
「なるほど、貴族の持っていた美術品か。それなら納得は出来るな」
「どうだい? 良ければ買ってってくれると嬉しいんだがね」
「幾らだ?」
ある程度の値段なら買ってもいい。そんな思いで尋ねたのだが、女の口から出た値段は予想より桁が2つ3つ違うものだった。
さすがにそれだけの値段を出してまで欲しいとは思わない。
と言うか、よくこの規模の店でこれだけの美術品を仕入れる事が出来たな。
「さすがにその値段だと手が出ないな」
「ありゃま、出せると思ったんだけどねぇ……残念無念」
溜息を吐く女を尻目に、俺とスレイは店を後にする。
「良かったのか? 買おうと思えば買えたんだろう?」
「確かにな。だが、そこまでして欲しい物じゃない。……それより、折角2人きりの夜だ。ゆっくりと楽しむとしよう」
スレイの肩を抱き、以前スレイと共に初めての夜を過ごしたホテルに向かって歩き出すのだった。
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