第三十四話 女の身体って結構大変
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アップするが、佐天さんがそれを宥めてくれている。
「まずね、スタイルの話として聞いてほしいんだけど、スタイルが良いって言うのは基本的に胸の大きさも含んでるわけよね?」
「そうですねっ」
「あははっ……」
俺が説明を始めると、初春さんがお昼休みはウキウキウォッチングな番組のオープニングで司会者に返すお客さんのようなリアクションをし、それを見た佐天さんが呆れたように笑っていた。
「それでウチの場合……というか騎龍の場合は、女の子に求める理想のサイズがBカップなのよね」
「え?」
「B?」
説明を続けていくと理想のサイズの部分で佐天さんと御坂さんが聞き返してくるが、俺はうなずくだけで話を続ける。
「だからウチとしても自分の理想のサイズをBにしてたわけなんだけど、出来ればAでとどめておきたくなってねぇ」
「なんで?」
元々大きくなかった理想のサイズを更に下方修正したことで御坂さんから尋ねられた。
「まぁ……一言で言えば重い。それに尽きるかな」
「いや、そのサイズで重いって……」
簡潔に答えるが、御坂さんから呆れたように言われる。
「仕方ないでしょ、元が男なんだから」
「そんなに違うの?」
答えになっているかどうか分からないが答えると、今度は佐天さんが聞いてきた。
「そうね、感覚的には500mlのペットボトルを胸の前で抱えてる感じかな」
「……ん? 別にたいしたことないじゃない」
俺が答えて少し間があったが、その間に重さを考えていたのだろう。
「確かにそれほど大きく困ることは無いんだけど、本当にちょっとしたことの積み重ねよね。ものを拾う時とか前屈みになった時は結構重さを感じるし、走る時だってこのサイズなのに揺れるし、普通に立ってるだけの時も重心バランスがうまく取れてなかったりするしねぇ。短時間だったら気にならないんだけど、長時間姫羅で居ると結構大変なのよね」
「へぇー、そんなに違うんだ」
「そうだったんですねー」
これは多分普通の人には絶対に分からない部分なのだろうと思いながら説明する。もし分かる人が居るとすれば、豊胸手術でいきなり胸を大きくした人ぐらいだろうか。
「それで、さっきの胸がねぇに繋がるのよ。スタイル良いのは嬉しいんだけど、胸が大きくなったらそれはそれで大変だなぁって思ってね」
「そうだったんですねー」
俺の説明に初春さんがさっきと全く同じ言葉で返してくる。やはり胸の大きさは多少コンプレックスなのか、誤解が解けてもまだ若干機嫌が悪いままのようである。
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