第三十四話 女の身体って結構大変
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さんがそれにするんだったら、私はこっちでも」
佐天さん達が離れていったのを確認すると、御坂さんはピンク地のパジャマを持って自分で合わせていた。
「何やってるんだ? ビリビリ」
俺が鏡の前で合わせていた時に一応気配で気づいてはいたのだが、御坂さんが鏡で合わせた時に上条さんが御坂さんのほぼ後ろに立っていた。
「なぁっ!」
御坂さんが慌ててパジャマを隠しつつ振り返る。
「なっなな何でアンタがこんな所に居るのよ!?」
恐らく声で誰だか気づいていたはずなのだが、上条さんの姿を確認して御坂さんが非難の声を上げる。
「俺が居ちゃ悪いのかよ」
上条さんは面倒くさそうながらもいつも通り対応していた。
「お兄ちゃーん!」
そこへ鞄の少女の登場である。そして御坂さんの方を見たときに目が合う。
「あ、常盤台のお姉ちゃん」
「あなた、鞄の」
鞄の少女が御坂さんに気付いて話しかけると、御坂さんも少女のことを思い出したようだ。
「お兄ちゃんってアンタ、妹居たの!?」
彼女が走ってきた時のことを思い出した御坂さんが、かなり驚いた様子で上条さんに尋ねる。
「違う違う、俺はこの子が洋服店を探してたからここまで連れてきただけだ」
「うんとね、私もテレビの人みたいに可愛いお洋服でおしゃれするんだー」
上条さんが答えると彼女も洋服店を探していた理由を御坂さんに話す。
「そうなんだー。今でも充分おしゃれで可愛いわよ」
「短パンの誰かさんと違ってな」
御坂さんが鞄の少女に言うと、上条さんが言わなくてもいい一言を言ってしまう。
「何よ、やる気? それならいつぞやの決着をここで付けても良いのよ?」
まぁ、アニメ通りといえばアニメ通りのはずなので別にいいのだが、御坂さんが上条さんに対して臨戦態勢になってしまった。
「おまえの頭の中はそれしかないのか、まったく。だいたいこんな人の多いところでやるつもりですか?」
「うっ……」
上条さんが呆れたように言うと、正論を言われた御坂さんはぐうの音も出ないようだ。
「ねえねえ、お兄ちゃん。次はあっちが見たいー」
「おう、分かった。それじゃあな、ビリビリ」
全然空気が読めないのか、それともものすごく空気を読んだのか、鞄の少女は上条さんがこの場を離れられる提案をした。その提案に上条さんは少女を連れてこの場を離れてしまったのだが、呆気に取られたままの御坂さんはそのまま上条さんを見送っていた。
「はぁ……」
ずっと背中に隠していたパジャマを思い出した御坂さんは、大きく息を吐いて自分が合わせていたパジャマを元の位置に戻す。
「神代さん、神代さん
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