三十二話:聖魔剣の輝き
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だが生き残ってしまったんだろうって……」
祐斗殿が青い瓶を手に取りまるで懺悔するように静かに語りだします……。
「みんなだって生きたかったはずなのに僕だけが生き残って、それで部長の眷族になって、学校に通えて、友達が出来て……僕だけが幸せになっていいのかと考えた……僕だけがここにいてはいけないって思った……」
止まることなく祐斗殿の頬から流れ落ちる涙が青い瓶を温かく濡らしていきます。
すると突如どこからともなく不思議な声が響いてきました。
『君は生きてていいんだよ、だって君は―――僕達の希望なんだから』
「みんなっ!!?」
光に弱い悪魔の拙者ですら居心地よく感じてしまうような光に包まれて
拙者には良く見えませんが祐斗殿の周りには何やら薄ら青い透明な影が次々に現れてきました。
あれは……いえ、あの方達はきっと祐斗殿の………
「僕は何も出来なかったっ!!!僕は……皆を見捨てて!!!
今は平和に暮らしているのに……っ!!!」
まるで自分を責めてくれとでも言いたいかのように泣き叫ぶ祐斗殿に
優しい言葉が投げかけられます。
『君は僕達を見捨ててなんかいないよ』
『だって、君は今までずっと、僕達のことを想い続けてくれた』
『それが復讐なんだとしても―――君が私達を忘れた日は一日たりともなかった』
「ああ…!!忘れるわけなんかない!!!」
両手で抱きしめる様に因子を持ちながら震える声でそう言う祐斗殿。
拙者達はその様子をただ黙って見つめ続けます。
『君が僕達を想い続けてくれたように僕達も君を想い続ける』
『あなたは一人じゃない』
『一人の力は弱くても、みんなと一緒なら大丈夫』
『だから受け入れよう……聖剣を』
『さあ、歌おう……みんなで歌った歌を―――』
光に包まれた中から聞こえてくる歌―――聖歌
それはとても優しく……美しい歌でした。
『君には神なんていらない』
『だって君には私達が付いているから』
『たとえ神が僕達を見ていなくても僕達はずっと―――』
「一緒だ!!!!!」
全ての光が祐斗殿に纏われそして祐斗殿の中に溶ける様に消えていきます。
そうして、立ち上がった祐斗殿の目には以前のような憎しみは宿っておらず
今はただ、強い覚悟だけを灯していました。
「…………バルパー・ガリレイ。僕の仲間は復讐なんて、望んでいなかった……優しい彼らが、そんなことを考えるわけがなかった……。だけど―――貴方はこれからも人を傷つけ、殺すだろう」
魔剣を創り出しバルパーを静かに睨みつける祐斗殿。
「僕は第二、第三の悲劇を繰り返さない為に―――貴方を、滅ぼす!!!」
「黙れ!!!フリード!!新しいエクスカリバーを
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