九校戦編〈上〉
吉田幹比古登場
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一真でいい。が、蒼太にはさん付けな?俺の護衛だからな」
入学から三ヶ月が経過している今の時期に交わす会話としては、いくら百年前のようなクラス単位の活動が少なくなったからと言ってこの場はおかしくはない。幹比古はクラスメイトの人間に対し、声をかけないでほしいと言わせているような壁があったからか。それともスポーツで汗を流した後の爽快感で今だけ気まぐれなのかもしれないが、これはこれで壁をぶっ壊したというきっかけになると思われる。
「オーケー、一真と蒼太さん。実を言うと僕は、前から君達と話をしてみたいと思っていたんだ。護衛付きだからってのもあるかもしれないけど、こうして話せるのもある意味できっかけが作れたと思えるから」
俺の言葉でフレンドリーな会話となり、俺と蒼太に簡単な自己紹介をする。対人対象というのは、最初の印象と一つの一言でそれまでの印象が大きく変わる。例えば俺は護衛持ちで入学式前から異様な空気を漂わせていたかもしれないが、話してみるとそれがなかったかのように空気を打ち解けている感じであった。俺らの幹比古の印象は人嫌いから人見知りと変更されたように。
「奇遇だな、俺もだ。二科生とはいえ、理論だけでトップ3に俺と幹比古が入るんだからな。いつ話そうかタイミングを待っていた、ま、それをレオが進めてくれたお陰かもしれん」
「褒められているのか、よく分からないぜ。でもまあ一真の場合はしょうがないと俺は思うぜ、護衛付きにバックには蒼い翼だしな」
「僕もタイミングを計っていたんだから、レオには感謝しているよ。護衛が目を光らせているからね、それにレオにも話をしたいと思ったからさ」
護衛付きと言うキーワードでは二人とも同意していたレオと幹比古、まあ護衛の目を光らせているから俺と仲良くなりたいと思っても護衛の目があるのかあまり会話が出来ないようだった。なので、蒼太に脳量子波で今度からもう少し目を光らせるレベル下げろと注意をした。蒼太も理解してたのか今度からそうしますとは言ってたが、そう簡単にはいかないだろう。
「何と言っても、あのエリカにあれだけ根気よく付き合える人間は珍しいからね」
「・・・・何か釈然としねえなぁ」
「あれだけコントして付き合えるんだから、他人から見てもそう見えるさ」
コントというのはエリカとレオの喧嘩風景なのだが、ワンセットで俺らといるか不思議でしょうがない者もいたりする。コントではなく、買い言葉に売り言葉でやっている風に見えるからなのか仲が良いと見えるような感じだと蒼太は言っていた。いつも後ろの壁にいるからなのか。
「幹比古、エリカとは以前から知り合いなのか?」
深い意味で言った訳ではないが、幹比古側からしたらしまった!という顔をしているがもう遅い。俺は話題を変えようとしたら本人が来
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