九校戦編〈上〉
吉田幹比古登場
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余裕があった。25名のクラスメイトだからか、誰でも互いの名前くらいは知っている。そして俺らは名前以上の情報も知っていた、吉田幹比古は古式魔法の名門で吉田家の直系。吉田家は「精霊魔法」に分類される系統外魔法に伝承する古い家系で、伝統的な修行方法を受け継いでいると聞いている。
精霊魔法という事は俺で言うなら、炎・風・地・水の精霊を使って魔法を使うという考えである。まあ俺は精霊が見えるというより、各精霊で情報探査する時もあれば攻撃に使う時もある。俺もだが彼も爪を隠した鷹だと言う事も、俺は規格外な魔法の名を語る超能力者兼創造神だがアイツの魔法は古式魔法だから魔法師の一員のはず。そういう事を考えていると飛んできたボールを回し蹴りでゴールを決めたのだった。試合は俺とレオと吉田の三人の活躍で圧勝した、見学ゾーンに戻った俺を待っていた蒼太は飲み物とタオルを渡してくる。ついでにレオにも飲み物だけを渡した。
「さすが護衛の蒼太さんだ、気が利くねぇー」
「私は一真様の護衛ですので、一真様の友人にも渡すように気配りをするようにと」
俺とレオは飲み物を飲みながら、俺らと少し離れた位置に腰を下ろした吉田幹比古の近くに移動した。
「ナイスプレーだった、吉田」
声をかける俺の呼吸は試合後でも、既に落ち着いていた。代わりにレオは突進力で走り回ったのか、蒼太が飲み物渡すまで息が上がっていたがもう大丈夫のように呼吸を整えていた。
「そっちもね、にしても試合後でも息が乱れないのはさすがと言いたいよ」
応える吉田も息は既に乱れはないが、俺が試合後でも息が上がってない事に賞賛を言うのだった。まあ俺と蒼太ならこれぐらいの運動量で息は上がらないだろうな、毎日の鍛錬の賜物だと言いたいね。俺はクラス全員と同じように交友関係を築けている訳ではない、護衛付きと蒼い翼という肩書を持つ生徒なのか余所余所しい態度で接する時もあるが1-Eで普通に会話する相手は今の所レオ、エリカ、美月くらいだ。吉田も愛想は悪くクラスの中で孤独感を出しているのか、それとも入学直後のオリエンテーションで一人だけ退室したくらいだ。俺より交友関係が広いレオでも挨拶程度の間柄だった。
「やるじゃねえか、吉田。こう言っちゃ何だが、予想外だぜ」
レオは今の吉田の活躍を見て何やら思う所があったらしい、俺を誘って声をかけたのは俺だがそうしようと言ったのはレオの方である。
「幹比古」
だが幹比古は、レオの開けっ広げた態度で感化されたようで、孤独感を出さずに言ったのだった。
「苗字で呼ばれるのは好きじゃない。僕の事は名前で呼んでくれ」
これまでにない打ち解けた感な態度で応対してくれた幹比古。
「おう。じゃあ、俺の事はレオって呼んでくれ」
「レオに便乗するが、俺の事も
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