第六章
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巨大になったものだよ」
日本についてその大きくなってしまった有様に唖然となっていた。そのうえで箸で手に取って食べようとする。しかしそれが存外に難しかった。
「これが箸か」
「難しいな」
見ればウィルマーもその箸の使い方にかなり困っていた。右手の指でその二本の棒を使おうとしているがそれがかなりであった。
「日本人は簡単に扱っているのにな」
「慣れたものだな」
見れば彼等とほぼ同じ黒と金色の軍服の日本人達は実に簡単にその箸を使っている。しかもフォークも平気で使ってイギリスの料理も口にしていた。誰一人としてどちらも使えないといった日本人はいなかった。
「あんなに簡単にか」
「使えるんだな」
そのことに驚きを隠せない二人だった。
「これが今の我が国と日本の違いか?」
「我々はフォークしか使えないが彼等は箸も使える」
こう話していく。今は日本人達を見ながら。
「かつてはこっちがずっと大きかったのにな」
「今じゃ下手したら見向きもされない位だからな」
こんな話をしながらも何とか箸を使おうとする。しかしやはりそれは難しい。それ困っているとだった。不意にそこでまた彼女が来たのだった。
「落ち着いて使えばいいですよ」
「貴女は」
「はい、また御会いしましたね」
サエコだった。にこりと笑ってダスティに言ってきたのである。
「こんばんは」
「はい、こんばんは」
恭しく彼女に一礼してみせたのだった。
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