第四十二話 覚醒
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た世界の話。
西暦20XX年の記録は過失か意図的にか、存在を闇に葬られた。
現時点でアクセルにもハッキリと分かっているのは、かつてのスペースコロニー・ユーラシアを破壊するのに使われたギガ粒子砲・エニグマがその100年前の大戦で造り出されたことくらいだ。
シグマはケイン博士の元で働いていた頃、朧げに伝説を聞いていた。
その後、カウンターハンターのサーゲスやスペースコロニー・ユーラシアの事件を進言した男によって伝説と英雄の秘密を知った。
善なる科学者に造られた蒼き英雄と、悪しき科学者によって生み出された紅き破壊神。
シグマ「そしてお前は、悪しき科学者の手によって、エックスと裏切り者のゼロを凌駕するために造られたのだ。2人を倒し、最強のレプリロイドとなるためにな」
アクセル「嘘だ!!」
悲鳴に似た叫びが、宮殿の壁を打ち、反響する。
アクセルの翡翠色の瞳が、悲痛な色に染まっていた。
アクセル「僕はエックスやゼロ達に憧れてハンターになったんだ!!2人を倒すために生まれたなんて、そんなの嘘だ!!」
シグマ「事実なのだよ、アクセル」
哀れみと愉悦が混じった面持ちで言う。
シグマ「お前の記憶が教えただろう。お前は2人を超えるために造られた。新世代型のレプリロイドなのだよ。」
アクセル「嘘だあああああああああ!!!!」
絶叫が、酷薄な空気を震わせたかのように思える。
だが冷たい空も、漆黒の闇も、決して晴れることはない。
アクセルの胸に芽生えた絶望は、彼の全身を暗く侵していく。
シグマ「お前はプロトタイプ…。だが、潜在能力は新世代型をも上回るのだ。新たに造られた者が、古くに造られた者に勝るとは限らん…。エックスやゼロ、ルインやルナという小娘、我が配下の四天王、VAVAもそうだ。お前は強い……。お前はエックスとゼロを倒し、DNAを手に入れるのだ。そうすれば最強のレプリロイドとなれる」
アクセル「嫌だ!!そんなことするもんか!!僕は…僕は……」
シグマ「お前がエックス達に憧れるのも、お前に課せられた使命のためなのだよ、アクセル。深い闇に覆われたメモリー領域……。その中に、確かに存在するだろう?創造主の望みが…」
アクセル「僕は僕だ!!そんな奴のことなんか知らない!!」
もし両腕が自由ならば、耳を塞いでいただろうが、拘束されていたためにそれも出来ずに、声を張り上げて否定するしか出来ない。
シグマは自身の使命に悩み苦しみアクセルを嘲笑うように口を開いた。
シグマ「聞き分けのない子供だ…流石はアルバート・W・ワイリーの最後の作品だ…頑固さは奴と似ている」
そう言ってアクセルの頭を鷲掴む。
シグマの手に宿る光が、青白い月の光を思わせた。
熱はなく、代わりに寒気がアクセルを
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