妖精亭-フェアリーズハウス- part1/王女への謁見
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ちは何もしてませんよ。あの戦いは結局レコンキスタが使っていた怪獣のせいで途中からうやむやになって…最後はウルトラマンが怪獣をやっつけて終わったんですし」
「でもサイトさん。あの白い光はルイズが…そしてあの飛行兵器、竜の羽衣を動かしたのはあなたなのでしょう?あなたたちの活躍で民が救われた。十分すぎる成果なのですよ。
特に白い光、あれが発生したとき、三人のウルトラマンたちも私たち王軍と同様に驚愕してその場に茫然と立っていたと報告にあります。ルイズ、あなたの発した白き光は、彼らを助けた。私たちに代わって彼らに少しでも恩を返すことができたのよ」
サイトとゼロは、ルイズを見やる。あの時、ルイズの声が確かに聞こえたのだが、やはり彼女の魔法だったのか。しかし、何という魔法だったのだろうとゼロは驚いていた。ゼロ自身もルイズの力を侮っていたが、これほどの力を隠していたとは思いもしなかった。
「そんなことは…」
ルイズはそんなことはないと言いたかった。あの時は無我夢中だったのだ。自分の意思でやったかどうかもおぼろげな行為を素直に受け止めることは難しかった。
本当なら、ずっと『魔法成功率ゼロ』と蔑まれてきた自分だ。よりによって伝説と謳われた、かの始祖ブリミルが行使した系統『虚無』に目覚めた。みんなに見せつけ、自慢してやりたいほど有頂天になる…と思っていた。虚無に目覚めたことでルイズを襲ったのは、予想もしきれないほどの重圧と不安だった。ウルトラマンさえも驚愕させ、ファウストの闇を打ち砕き、闇の空間もろとも怪獣にも深手を負わせ、中には彼女の魔法で倒された個体さえもいた。それだけすごい魔法を自分は発動したのだ。それも、あの白紙の手帳を読んだ時だ。
突如強大な力を手にしたことで、彼女は強すぎる不安を覚えたのだ。
「…いいのか?」
サイトが袖を引っ張ると、ルイズは気づいていたの!?と言葉には出さなかったが、丸くなった彼女の目がそれを語っていた。それをめずらしく察したのか、コクッと頷いたサイト。これ以上アンリエッタに隠し通しても無理だろうし、おそらくこの話をすると予想していたので、あの本と水のルビーも念のため持参している。何より、このことについては誰にも相談できずにいたので、サイトが気づいていたという事実が、彼女の心に後ろ盾となって安心感を与えた。
あの白き光を放った時のことをルイズは語った。アンリエッタからもらった白紙の本と水のルビーをはめたとき、水のルビーと白紙のページが共鳴するように青く光り、文字が浮き上がったこと。浮き上がった分には、始祖ブリミルの物と思われる者の文章が記され、それを読み上げると、自然と呪文を口ずさみ、あの白い光を放ったと、全てを説明した。
その際、彼女はアンリエッタに古書と指輪を手渡した。
「始祖の祈祷書…」
古書を見て、アンリエッタがそう
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