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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
妖精亭-フェアリーズハウス- part1/王女への謁見
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ばルイズに爵位、サイトさんにも貴族としての位を差し上げたいのですけど…」
「そんな!こんな犬を貴族になんて…」
「犬?」
なんのことだとアンリエッタが首をかしげると、ルイズは「な、なんでもありませんわ…」と頬を赤く染めながら誤魔化した。サイトが犬呼ばわりされたのが気に入らないのかハルナからの視線が、少し痛い。
「私としては差し上げずにはいられないのですよ。それに、アニエスをごらんなさい。彼女も元は平民ですが、メイジを相手に剣のみで勝利してきた凄腕の剣士です。現在はシュヴァリエの称号を与え銃士隊の隊長を任せているわ」
アンリエッタから言われたとおり、ルイズはアニエスを見る。思えば、彼女は確かに剣を携えている。貴族なのに剣を携えている人間はいない。大概のメイジは魔法を武器とし、剣や槍を使う平民など格下に見る傾向が強いから剣を持たないのだ。でもアニエスはそれを持っているということは、彼女は元は平民の出である証だった。
「姫様、失礼を承知で言いたいのですが…」
「わかっているわルイズ。あなたのことだから、『平民を貴族に取り立てるなどゲルマニアの真似事じゃないか』って言いたいのでしょう?」
ルイズは無言だったが頷く。ルイズにとって貴族の称号は始祖から与えられた神聖な称号。それを金で買って貴族を名乗るゲルマニア人と、優れた実績があるからって平民を貴族に取り立てるやり方の差に違いがほとんど見えなかった。
「重臣たちからも反対意見が飛び交っていたわ。下賤な平民などに貴族を名乗らせるなどもってのほかだ、と。でも、私は古いしきたりにいつまでもこだわり、変えていくべき現実を変えないまま国力を低下させていくこの国を見てきました。このままではいけない、だから思い切ってゲルマニアと同じように、優れた平民を見つけたら是非部下として取り入れようと考えています」
国力低下は、国を守る力を失うこと。まして自分たちの行いでそうなってしまっているのなら変えなくてはならない。今、かつてない脅威がこの世界を包み込もうとしている以上なおさらだ。ルイズも理解できないわけじゃないが、一つ心配になった。果たして他の貴族がそれで納得してくれるのか、アンリエッタの立場にどう影響するのかが心配になる。
「いや…どちらにせよ俺には必要ないですよ。こうしてルイズやお姫様、みんなが無事だったんだ。それで充分ですよ」
「サイト…」
ルイズが無事ならそれでいい、という言葉がうれしかったのか、ちょっと顔がゆるんでいたルイズ。とはいえ、サイトとしては地球に帰るとなると、異世界でもらった爵位なんて就職活動の足しにもならないのだから実際いらなかった。それ以前にトリステインでは平民は貴族になれないのではなかったはずである。
「なら、せめて感謝の言葉を述べさせて。本当にありがとう、サイトさん」
「でも、俺た
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