妖精亭-フェアリーズハウス- part1/王女への謁見
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白いハトを飛ばしながら鼻歌を歌ってみたいとか素敵な王子様と出会って結ばれたいなんて考えたりしていたものだ。でも、なってしまうとそれはそれで苦労することになるのだろう。目の前の姫がそうであるように。
「ところでルイズ、サイトさんはともかくそちらの女性は?」
「す、すみません姫様!実はオールド・オスマンから…」
アンリエッタがハルナの存在に興味を示すと、ルイズはオスマンからハルナのことを姫に紹介した方がいいだろうというすすめを受けてこの場に連れてきたことを話した。
「驚きました。まさか、サイトさんの学友の方だったなんて…」
「あ、は…初めまして!私は、高凪春奈と申します!」
相手がお姫様ということもあり、緊張しきった様子でハルナは自己紹介した。
「タカナギハルナさんですか…初めまして。私はこの国の姫、アンリエッタ・ド・ドリステインと申します。そうかしこまることはないですよ。楽にして」
「ハルナ、深呼吸」
「う、うん…すーはー…は、はい!」
カチカチになるハルナを見て、アンリエッタは笑い、サイトは呼吸を整えるようにフォローを入れる。
「でも、サイトさんはルイズの召喚魔法を受けてこの世界に来たそうですが、彼女は?」
「えっと、私の場合は…」
ハルナは、自分は召喚魔法を受けたのではなく、正体不明の謎の黒い雲に襲われ、気がついたらこの世界に送られ、サイトと再会を果たしたと説明した。
「なるほど、ハルナさんは使い魔としては召喚されておらず、その理由は黒い雲にあるようですが、それについて詳しくはわかっていないということですね」
「え、ええ…」
「オスマン学院長が彼女と私に引き合わせたのは、サイトさん同様異世界人である彼女にこのトリステインでの生活の保障をしてほしいと願ってのことですね。いいでしょう。困ってる者を助けるのも王族としての務めです。
ハルナさん。いきなり異世界での生活は大変かもしれませんが、頑張ってください。そして、これからもルイズとも是非、仲よくしてあげてください」
「…はい…ありがとうございます」
この姫、意外にも笑顔でこちらにとって酷なことを言ってくる。ルイズとハルナはサイトをめぐる、まさに恋敵関係にあるのだ。だが、退屈だったり、時には気苦労ばかりを要する政務に付き合わされる姫にとって、修羅場も刺激のある舞台上の演劇として楽しむところがあるだろう。
「では、ルイズ。あなたを呼び出した理由をここで話しましょう。レコンキスタの、タルブ襲撃の勝利についてです」
ルイズは、やはりと思った。あの時、自分が発動させた白い光のことだ。しかし、話すべきかどうか迷っていると、アンリエッタはルイズの手を握って笑みを見せた。
「私に隠し事をしなくてもいいわ。あれだけ派手な戦果を挙げたのよ。ありがとう、あなたたちは救国の英雄ですわ。できれ
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