妖精亭-フェアリーズハウス- part1/王女への謁見
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いうことで、本来ならルイズが玉座の間へ来訪しなくて張らなかった事態が、逆にアンリエッタがルイズが運ばれた医務室へ来訪するという形となってしまった。
「ああ、ルイズ!よかった…無事だったのね!」
足に包帯を巻かれたルイズを見て、アンリエッタは彼女の無事と、数日ぶりの再開に涙ぐんでいた。逆に、自分がけがをした姿をできることなら見られなくなかったルイズは、そんな姿を中世の対象に見せてしまったことを反省した。
「姫様…このようなみっともない姿をお見せすることになって申し訳ありません」
「何を言うのルイズ。寧ろ悪いのは私の方だわ!私が学業にいそしんでいるあなたを無理に呼び出してしまわなければ…」
「何をおっしゃいますか!姫様はなにも悪くありませんわ!」
気に病むアンリエッタの顔を見て、ルイズはあわてた様子で気にしないように言う。
「いえ、懺悔の言葉を述べさせて!あなたをアルビオンという死地に追いやっただけでなく、今回だって私があなたを呼びつけたのが一因ですもの!」
「いえ、此度のことは私の不注意が招いたことです!」
ルイズとアンリエッタは自分が悪いのだと互いに言い続け、そのせいで本題にいまだ入らないままだった。
『…話進まねえな。このままじゃ二万年経っちまうぞ』
ゼロは懺悔大会を繰り返す二人に、痺れを切らしそうになる。無論サイトとハルナもまた同様だった。いつまで続くのだろうと、うんざりしきっていた。
「あのさ…」
「何よ!」
ルイズが睨んできたが、こちとら何よとはなんだと言い返したくなった。
「いや、だから話が進まないんだけど…」
「そ、そうでしたわ!申し訳ありません…」
サイトが恐る恐る言った言葉を聞いて我に返ったアンリエッタが、サイトとハルナに申し訳なさそうに言った。
「もう、あんたのせいで姫様が…いえ、陛下が落ち込んじゃったんじゃない!」
「俺のせいかよ!!」
アンリエッタが平民であるサイトに謝ったのが癪に障ったのか、ルイズはサイトを理不尽にしかりつけた。が、逆にアンリエッタはルイズから言われた『陛下』という呼び方が嫌なのかルイズに言う。
「陛下だなんてやめて頂戴ルイズ。そのような他人行儀は承知しませんよ。だってあなたは私の最愛のお友達ですもの」
「そんな…恐れ多い」
「お願い、今まで通りにして。それに私はまだ戴冠式を終えていないから、まだ女王とは言えないわ。それにしても、女王になるものじゃないわね。いずれ退屈さと窮屈さが以前の何倍にも…気苦労はさらに何十倍にもなるでしょう…」
はあ…とアンリエッタはため息を漏らした。ハルナはそれを見て、お姫様って楽なものじゃないのだなと思った。女の子というものは、一度はお姫様というものに憧れというものを持つだろう。幼い頃、アメリカのカートゥーンのような豪華な白い城のバルコニーから
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