絶剣 対 影の剣士
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ユウキが瞬きをしたその瞬間に地面を蹴って、ユウキの側面に回り込む。
視界から消えた俺に、ユウキはその姿を探すように左右を見るが、その時には既に俺は間合いに入っていた。
「ッ!」
殺気と気配を可能な限り薄くした俺は短く鋭く吐いた吐息とともに、移動する途中で鞘に納めていた剣でユウキの体幹部を狙って片手居合いを放った。
「ちょっ!?」
当たる寸前、俺の存在を発見したユウキはとっさに剣を自分と俺の剣の間に滑り込ませた。自身の身体を引いて時間を稼ぎながら。
俺の剣がユウキの剣にぶつかり、衝撃波が周囲に撒き散らされる。
ソードスキルこそ使っていないし、本来両手で放つものである居合いを片手で放っているのだが、それでも速さだけをみればまさに神速。それに反応できただけでも普通ならば称賛されるべきことだが、ユウキはそれを的確に防いだ。
そして、そんな速度で剣がぶつかり合っても欠けすらしない剣。それが確認できたのだから、この打ち合いの目的は達成されたと言える。
しかし、止まらない。
居合いが迎撃されたのは想定内。ならば次の一撃を用意しておくのは当然。
居合いは防げたものの、無理な体勢で受けたため、ユウキの身体は若干泳いでいる。そのユウキを狙って、居合いに使った剣を引き戻しつつ、斜め下から剣を斜め上へ薙いだ。
さあ、どう防ぐ?
そう心の中で問い掛けるとユウキは剣から手を離し、素早く逆手で掴む。そして剣の重心を肩に乗せて即席の盾を作り出した。
俺の剣の軌道に対し、ほぼ水平なその剣の表面を火花を散らしながら剣が滑って行く。
また、完全に水平では無かったため、ユウキの身体には俺の剣の軌道から90度異なる向きのベクトルがかかった。しかしその力を利用し、次の技への溜めを作る。
ユウキは再び剣を逆手から順手に握り直すと大きく引き絞る。途端にその剣に集まる黒い光。
俺が居合いを放った剣を引き戻した、その剣で放とうとしている技と同じ。
片手剣単発重攻撃《ヴォーパル・ストライク》
「はぁっ!!」
「シッ!」
今までの比ではないほどの力を秘める上位ソードスキル同士のぶつかり合いに、黒みがかった煙とともに爆風、衝撃波が発生。
後ろに吹き飛ばされる。煙で見えないが恐らくユウキも。
煙が薄れ、ユウキの姿が見えた瞬間に再び地を蹴った。同じくユウキも俺と同時に地を蹴っており、ほぼ中央で剣と剣がぶつかり合った。
剣と剣がぶつかり、弾かれた瞬間引き戻し、逆の手に持った剣を突き出す。
しかしそれをユウキは半身になってかわし、同時に構えていた剣を横に薙いだ。
それを俺は下から剣を絡めるようにして上に軌道を逸らす。ユウキの鋭い剣閃が髪を掠るのもいとわず、跳ね上
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