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提督の娘
第二章
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イアで腕や胸にそれを飾っている。
 その美女がダスティの前に来た。そうして彼に声をかけてきたのであった。
「あの」
「はい、何か」
 ダスティは無意識のうちに姿勢を正して彼女に応えた。如何にも軍人らしい動きであった。
「宜しければですが」
「何でしょうか」
 きびきびとした声であった。やはり軍人のものである。
「もうすぐダンスがはじまりますので」
「はい」
「御相手をして頂けるでしょうか」
 こう彼に言ってきたのである。
「宜しければですが」
「私がですか」
「はい、私でよければ」
 美女の方も言ってきたのだった。見ればその歳は二十六程度であろうか。彼より上である。だがそれだけに色香も漂い彼を魅了していた。

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