第七話 安東中佐!相撲ごっつあんです!!その十九
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「勝ったぜ、今回もな」
「ああ、そうだな」
「俺達の勝利だ」
「智恵を使ったうえでな」
「見事勝ったぜ」
「見たか俺達の灰色の頭脳」
こう言いながら勝ち誇る、そして。
尚武がだ、尚智に言うのだった。
「兄貴、じゃあな」
「ああ、勝ったからな」
「これからいつものポージングだな」
「それを決めるか」
こう話してだ、奈良県は海がないが。
二人は旭日をバックに海の中の岩場の上にそれぞれ腕を組んで立ってだ、いつもの台詞を高らかに言うのだった。
「正義は勝つ!」
「五月蝿い!」
行司がだ、その二人に蹴りを入れて倒して行って来た。
「何が正義だ!」
「おい、何しやがる!」
「勝った人間に何てことするんだ!」
二人は土俵から転げ落ちたがそれでも顔を行司に上体を起こして言い返した。
「俺達は勝ったんだぞ!」
「正義だぞ!」
「正義に何しやがる!」
「蹴るとか何だ!」
「またしても汚い手を使いおって!」
行司さんが怒るのはそれが原因に他ならない。
「神聖な相撲を何と心得る!」
「だから勝てばいいんだよ!」
「勝てば官軍だろ!」
「正義だろ!」
「それの何処が悪いんだよ!」
「二度と土俵に立つな!」
その資格すらないというのだ。
「野見宿禰に蹴られて死ね!」
「くそっ、ヒーローは何処までも孤独か!」
「絶対に認められないんだな!」
「ヒーローは辛いぜ!」
「背中で耐えないといけないんだからな!」
こう言ってだった、二人は。
三輪素麺を買ってちゃんこも食べてリア=ディソンの写真集とDVDも買った。そのうえで言うことはというと。
「夏は素麺だな」
「あと美人の水着だな」
自宅でその三輪素麺を食べつつDVD鑑賞をしての言葉だ。
「素麺のつゆには梅入れてな」
「生姜もいいな」
「いや、それとビール」
「夏の醍醐味だぜ」
ちなみにこの作品の季節感は前の話で夏でも作者の気分で正月になったりするのでこの話が夏でも気にしないことだ。
「リア=ディソンさんもいいしな」
「グラビアの黒船って言われてただけはあるぜ」
「さて、次だな」
「次の戦いに向かおうか」
こう言う彼等だった、そうしてだった。
二人は食べて飲んでDVDを楽しんだ、それはまさに少年の青春だった。
第七話 完
2014・8・14
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