第百七十六話
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第百七十六話 バラード
バラードはどうかと言われてだった、亜美も思うところが出来た。それで自分の使い魔達に家に帰ってから問うた。
「やっぱ明るいか」
「そうじゃないの?」
「やっぱり」
使い魔達も主に言う。
「ご主人のバラードはね」
「明るいと思うわ」
「ご主人の性格が出て」
「それでね」
「うち暗いのはなあ」
亜美はアルテミスとセレニティに困った顔で応えた。
「どうもな」
「うん、ご主人はね」
「そういうの駄目だよね」
使い魔達もわかっているという返事だった。
「明るい性格だからね」
「それもかなり」
「失恋とかあるやろ」
日本の歌には失恋の歌も多いがだ。
「そういうのはな」
「駄目なんだ」
「書けないんだ」
「書くことも作曲することもな」
「どっちもなんだ」
「駄目なのね」
「そやねん、どうしよかなほんま」
悩んでいる言葉だった、明らかに。
「こうした歌は」
「ううん、だったらね」
「作らない方がいいんじゃない?」
これが二匹の亜美へのアドバイスだった、苦手なものならもうそれは仕方がないと考えてのことである。これはこれで亜美の為へのアドバイスだ。
「もうそれならそれで」
「とりあえす書かないで」
「バラード以外をね」
「そっちをやっていったら?」
「そうしよか?」
亜美はアルテミスとセレニティの言葉を受けて考える顔で述べた。
「ここは」
「また出来る様になってから」
「その時に作詞作曲してもいいんじゃないかしら」
二匹は女の子の喋り方で亜美に言うのだった。
「その時が来れば」
「作詞作曲しましょう」
「今できんことはしてもあかんか」
「出来ることからよ」
「そこからしていきましょう」
「それがええか」
亜美も彼女達の言葉を受けて言う。
「ここは」
「また今度ね」
「作ってみましょう」
二匹は亜美にとりあえずは明るい曲、具体的にはポップス等のジャンルの曲の作詞作曲を勧めた。そして亜美も頷くのだった。
第百七十六話 完
2014・10・10
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