29話 ≪見極める為に≫
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は、敵同士かも知れねぇと言ったはずだぜ。……それとも、仕掛けに嵌まって動けなくなった俺を二人で嘲笑いに来たか?」
「あのなぁ……、そっちは勝ち誇ってたくせにオレ達が外に出たらお前がまだ出て来てないって聞いたから、マゥスンとオレだけで捜しに来たんだよ」
サラマンダーに呆れたように答えるジタン。
「……俺はもう、お前達とは関係ないだろ。他人の為に行動する事に、何の意味がある? ……あんたも、物好きなもんだな。会って間もない相手に気を遣うなんざ」
「 ………… 」
「そんな言い方しなくてもいいだろ? お前を捜しに来るのに、マゥスンは自分から言い出してくれたんだぞ」
「それがどうした。……とにかく、俺には理解出来ねぇなジタン、お前の"考え方"が──── 」
「別に深く考えてるつもりないんだけどな。……お前が不本意だったとしてもオレ達は、ここまで何度も助け合ってきただろ? それが"仲間"ってもんじゃないか? サラマンダーがどう考えてるかは知らないけど、これでもオレはお前を仲間だと思ってるんだぜ。マゥスンだって、出会って間もなくてもこうして行動を共にしてる以上仲間だしな!」
「ナカマ……それが、仲間だというのか?」
上体を起こし、再度問うサラマンダー。
「そんなもんだろうぜ。……とにかくこんな所で喋ってる場合じゃないって、早くここから出よう! って言ってもサラマンダー、お前立てるのか?」
「……仕掛けに嵌まって上から落ちた際、着地に失敗して足を挫いてこのザマだ」
「 ───── 」
そこへふと歩み寄り、片膝を付いてサラマンダーの片足に手を翳し、白魔法を掛けて回復させるマゥスン。
「面倒、掛けたな」
「 ………いや 」
サラマンダーを伴い古城から出ると、待ちくたびれたと言わんばかりのエーコが小さい身体で詰め寄って来た。
「んもうっ、なかなか戻って来ないからエーコ達も探しに行くとこだったわよ! みんな心配して待ってたんだからねっ!」
「……フン、別に心配してくれと頼んだ覚えはねぇ」
「なぁんですってえ〜〜!?」
「まぁまぁ、サラマンダーは連れ戻せた訳だし──── 」
「!? サラマンダー、後ろを!」
皆一安心している所にフライヤが突如声を上げ、サラマンダーは咄嗟に背後の気配に気付いて振り向き様、倒れ掛かって来た者を両腕に抱き支える。
「 ────おい、どうした?」
間近で声を掛けるも、腕の中の存在はぐったりとサラマンダーの胸板に頭を預け、白銀の長髪に紛れて表情は窺えない。
……そのため仰向けに支え直して顔色を見えるようにすると、苦しげではないものの瞳を閉ざしており意識がない。
「マゥスン、しっかり
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