29話 ≪見極める為に≫
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「ガーネット、スタイナー、クイナ、お待たせっ!」
エーコ達5人は、イプセンの古城入り口に待たせていた3人と合流する。
「みんな、無事で良かったわ。サラマンダーとの勝負は……、ジタン達の勝ちみたいね?」
「え、違うよ? ボク達、負けたんだけど………」
「その通りじゃ。サラマンダー……、あやつが先に出て来たのではないのか?」
黒髪の少女、ガーネットの言葉に疑問を抱いた黒魔道士の男の子ビビと、竜騎士の女性フライヤに、中年男の騎士スタイナーが首を振る。
「先に出て来たのは、今のお前達だぞ?」
「……ちょっと待ってくれよ、先に"異世界への鍵"を見つけたのはサラマンダーだぜ? あいつが先に戻って来たんじゃないのか?」
「フヌゥ……、気づかなかったアルな?」
ずんぐりした奇妙なク族のクイナも首を傾げたように答え、ジタンは一抹の不安を覚える。
「まともな出口はここしかないはずだし、古城内では妙な仕掛けもあったから何かあったとしてもおかしくない……。オレ、ちょっと捜しに行って来る!」
「 ────私にも手伝わせて欲しい」
長めのサルのような尻尾が特徴の少年ジタンが古城内へ通じる直線階段を駆け戻ろうとした時、何を思ってか羽付き帽子はしていない赤魔道士のマゥスンが自ら申し出た。
「あぁ、じゃ頼むよ。……サラマンダーが本当にまだ中にいて何かてこずってるとしたら、あいつのプライドにも関わるからオレとマゥスンだけで行って来るぜ!」
( ……サラマンダーの事も気掛かりじゃが、やはりあの者──── )
フライヤは、赤マントの後ろ姿をどこか訝しげに見送る。
「あいつ……サラマンダーってさ、オレの事"見極める"とかで仲間になったようなもんで、一応ここまで付いて来てくれたんだ」
周囲を警戒しつつ、行方の知れぬサラマンダーを捜索しながらジタンはマゥスンにふと話し掛ける。
「だから……、あんな風に否定されてもあいつに何かあったんなら助けてやりたい。他のみんなもそう思ってるし、マゥスンだってオレ達とまだ出会って間もないといっても、こうしてサラマンダーを捜すの手伝ってくれてるしな?」
「 ………… 」
「マゥスンにも、"仲間"ってのが居るんじゃないのか? けど、記憶失くしてるんだったな……」
────不意に、逆さの通路脇から呻くような声が聞こえてくる。
「モンスターじゃなさそうだけど、もしかしてサラマンダーか……!?」
急な段差のある場所で、焔色の頭髪の男が仰向けに横たわっているのを発見するジタンとマゥスン。
「どうしたんだサラマンダー、 こんなとこで!」
「 ────ジタン、か? それに、あんたまで……。次に会う時
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