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閃の軌跡 ー辺境の復讐者ー
第12話〜翡翠の公都〜
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。彼と話していた若い青年、ベントはバリアハートへ旅行で来ていて、目的は結婚指輪作成のオーダーに使う半貴石を探しているらしい。ちなみに半貴石とは値こそ七耀石に劣るが、輝きなどはそれに匹敵する石のことである。その一種たるドリアード・ティアを調達して欲しいそうだ。

「ドリアード・ティア。特定の木々の樹液が空気によって固まり、高純度の石になることで生まれるものだな。確かにあれなら七耀石の代用品にしては十分、かな」

「ええ、その通りです。ずいぶん詳しいんですね」

「・・・まぁ、俺の村の周囲には木々が生い茂っていましたからね」

場所は北クロイツェン街道にはその半貴石を採取できる木が多く生えているらしいが、希少価値はあるようで根気よく探さないと見つからないそうだ。少々骨が折れるかもなと言うリィンの言葉が的を得ている。

「いや・・・そんなことはない。君たちがこれから探そうという無垢なる木霊の涙。
 それを先ほど見たと言ったら?」

「・・・へぇ、詳しく聞かせてもらおうかな?」

手当たり次第探すしかないと思考していた一同の後ろから声がした。声の主の方を振り返ると白マントの貴族風衣装を着た中年男性であったが、ケインだけは敵視するように睨みつけながらも木霊の涙、もといドリアード・ティアのありかを尋ねるのだった。

−北クロイツェン街道−

「これは・・・すごく綺麗だな」

「反対側が透けて見えるわよ」

「七耀石にも勝るとも劣らない輝き・・・確かにその通りらしいな」

「そうだな。俺はこの輝きを見るのも、ずいぶん久しぶりだけど」

職人通りを抜けて北クロイツェン街道へと出た一同は、街道そのものがさほど広くないのもあってか目立った障害もなくドリアード・ティアを発見し、木陰で幹から太陽のように眩い光りを発するその半貴石へ口々に感想を漏らす。ケインが慣れた手つきで木の幹からそれを剥がした。結局あの男は嘘を言っていなかったようだ。

「そう言えば、ケインはあの人と知り合いなのか?」

「・・・まぁ、不幸なことにそうなんだよ。ちょっとした腐れ縁、かな」

半貴石のありかを知っていたブルブラン男爵と名乗る貴族風の男は、芸術に愛と情熱を捧げる自他共に認める好事家(笑)らしい。つまるところ親切心が働いて教えてくれたとの事だが、彼のまどろっこしいしゃべりがうっとうしいとファミィから好評価を受け、話の内容そのものもだとユーシスに賞賛されるなど散々なディスられようだった。何はともあれ目的は達成したので元来た道を戻っていると、数台の装甲車が街の中へと入っていくのを目撃する。緑色の紋章があったため、クロイツェン州領邦軍のはずだ。

「ケルディック方面の部隊だろう。バリアハートの本隊に戻るところに出くわしたようだ」

「R
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