福音戦
[1/3]
しおりが登録されていません
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
先に出撃した白式と紅椿は目標地点に超音速で移動している。
俺と簪はそれから400m離れて追いかけていた。
「簪、そろそろ目的地に着くぞ」
「…うん…」
「それと、篠ノ之が浮かれている。あの精神状態は危険だ。何か重大な失態をやらかすかもしれん。頭に入れておいてくれ」
「…わかった…」
そのとき、戦闘の光をセンサーが感知する。
「戦闘が始まった。気を引き締めろ」
「…了解…」
俺はビームスマートガンを展開、レドームで戦闘を拡大して見る。センサー系の塊であるレドームはこういう時にも役立つ。
「爆発するエネルギー弾の弾幕…それもあれではまるで近接信管か時限信管だな」
エネルギー弾は直撃せずとも爆発している。
「かなり押されている…」
織斑が突撃を仕掛ける。だが、突如反転し、海面付近の光弾を切り裂き、かき消した。
「あれは…密漁船か…。こんな時に」
「…放っておけないの…?」
「織斑の性格からして放っておくとは思えん。それに、あんな奴らだが、ここで死ねば国際問題になりかねん」
その後、篠ノ之が何故か止まる。そして降り注ぐ光弾。織斑は篠ノ之を庇い、降り注ぐ光弾を受けている途中でISが解除された。
クソッ、最悪の状況だ。
「簪、お前は篠ノ之と織斑を連れて撤退しろ。俺は殿を務める」
ブースターユニットを装着、リミッター解除をして福音に突撃する。
マッハ12で直線に突撃する機体は、接触まで0.1秒もかからなかった。
膨大な運動エネルギーを伴ったシールドの刺突は福音を弾き飛ばすのに十分だった。
「貴様の相手は…この俺だ」
弾き飛ばした福音にミサイルを発射する。マッハ1.5で飛来するVTFミサイルは福音の付近で爆風の壁を作り、福音の機動を制限した。
その間に簪が2人を連れて撤退した。
「あいつらは撤退したな」
福音の反撃、降り注ぐ光弾。
俺はリフレクタービットを展開し防ぐ。エネルギー兵器は力場による干渉に弱い。福音の光弾も例外ではなかった。
ビームスマートガンを収束モードに変更、背部スラスターを狙撃、1基破壊。
「これであいつらには追い付けないはずだ」
――――――――――――――――――――
「織斑は重傷、篠ノ之は織斑の怪我からのショックで出撃できる状態じゃない。現在は黒鉄が単独で福音と戦闘中か」
「…はい…」
「わかった。報告ありがとう」
「…その…私はなぜ待機なんですか?私はまだ戦えます…」
速く援護に行きたい。こうしている間も彼は孤独な戦いに身を投じている。
「今、お前が援護に行ったところでどうにもならない。むしろ邪魔になりかねん」
「………分かり
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ