祈る者
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「成る程、そういうことか・・・」
「シュタイナー?」
「どうやら、事はそう簡単な状況じゃないらしい」
そう言ってシュタイナーはその場にいる全員にメッセージを飛ばした。内容は先程のぼろマントをアップで撮った画像。それを見たアスナたちは目を疑った。
「お、おいッ!これッ!?」
「この、マークって・・・」
「これは、僕たちが思っている以上に深刻な状況かもしれない」
皆の目の前に表示されているぼろマントの画像、彼の手首には《笑う棺桶》のタトゥーが刻まれていた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
都市廃墟から北に数キロ離れた砂漠エリア。
シオンとアリアはバギーを乗り捨て、キリトたちと合流していた。
今は衛星スキャンを避けられる洞窟に立てこもっている。
「キリト、アリア。少し外で見張っていてくれないか?」
「分かった」
「敵が来たら知らせるわ」
そう言って二人は洞窟入り口で待機した。
洞窟に残ったシノンはシオンにある疑問を投げかけた。
「ねぇ、どうやって私を助けたの?」
「どうやって?」
「あの距離からどうやって私のところまで短時間で来れたの?」
「ああ、その事か。答えは簡単だ、ビルからビルからへと跳び移って最短コースで来た。下にいたら俺が到着する前に撃たれていたからな、まあ俺が間に合わなくてもキリトが何とかしただろうがな・・・」
「アイツは倒せたの?」
その質問にシオンは否定の意味で首を振った。
「いや、正直俺一人で倒せる相手じゃない。今回は引いたが、次に真正面で戦ったら勝てるかどうか・・・」
「なら、どうして私を助けたの?」
シノンは理解できなかった。勝率が低いにも関わらず危険を犯してまで自分を助けた理由が、普通ならライバルが減ることはありがたいことなのに───
彼は自分の命よりも他人の命を優先したのだ、その行動に彼女自身理由できなかった。
「どうして、か・・・。似てるんだよ、何年か前に助けた女の子に」
「えっ・・・?」
「五年前だったか、俺はその日部活が休みでな。家に帰ろうと思って帰り道を歩いてたら、近くの公園で女の子が虐められてたんだ。俺はすぐに止めさせてその子供たちを追っ払った。虐められてた女の子はお前と同じことを言ってたよ、『どうして助けてくれたの?』って・・・」
シオンは遠い記憶を思い出す、それと同時にシノンもまた、思い出していた。
「五年前・・・」
「さて、俺はもう行こうかな」
シオンは立ち上がりウインドウで残弾数を確認する。
「行くって、まさか死銃のところに・・・?」
「
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