暁 〜小説投稿サイト〜
美しき異形達
第二十七話 光の力その十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「技を出すわ」
「まあそれが普通だよな」
「ええ、けれどね」
「その発想を変えてか」
「あえて動かずにね」
 そうして、というのだ。
「技を出してみたのよ」
「つまり力を使ったんだな」
「そうよ」
 まさにその通りだというのだ。
「それが上手くいったわね」
「雷なあ」
「おそらく他の力でもね」
「つまりあたしでもだな」
「ええ、身体を動かさずともね」 
 鈴蘭は薊に微笑みと共に話した。
「力を使えるわ」
「そうか、けれどな」
「薊さんの性格としてはというのね」
「ちょっと難しいかもな」
 薊は笑って自分の性格からも話したのだった。
「あたしってやっぱりな」
「動的な性格だからというのね」
「それもかなりさ」
 だからだというのだ。
「それが出来るかな」
「私もそこまではね」
「言えないよな」
「薊さんのことだから」
 それで、というのだ。
「申し訳ないけれど」
「申し訳なくはないさ」
 そうではないとも返した薊だった、それも笑顔で。
「そのことはさ」
「そう言ってくれるのね」
「実際だからさ、まあとにかくさ」
「動かずに力を使うこともね」
「戦術だな」
 こう言うのだった。
「やっぱり」
「その通りよ」
「闘いは本当に頭だな」
「薊さんも頭がいいわね、そういえば」
「いやいや、あたしは馬鹿だよ」
 薊は鈴蘭に笑ってこう返した。
「勉強しないとわからないしさ」
「誰でもそれは同じよ」
「勉強しないとわからないっていうのか」
「そう、何も学ばないで知っている人はいないわ」
 それこそ一人も、というのだ。
「だからね」
「あたしもそれでいいんだな」
「ええ、人は誰でも最初はね」
 それこそだ、鈴蘭でもだというのだ。
「白紙よね」
「産まれた時はそうだよな」
「ただの器よ」
 こうも言うのだった。
「だからね」
「そこに入れていくんだな」
「色々なものをね」
「だからか」
「そう、誰でも勉強しないとね」
「わからないし知らないんだな」
「後は努力次第よ」
 その人のそれによる、というのだ。
「本当にね」
「そういうものか」
「そうよ、貴方も学んだのね」
「まあ拳法やっててな」
 薊が物心ついた時からしているそれで、というのだ。
「そういうのわかったよ」
「個人の技や素早さ、力も大事だけれど」
「頭使わないとな」
 それこそ、というのだ。
「勝てないってことをさ」
「咄嗟の機転や読みでね」
「そうそう、相手の目を見るとかさ」
 そうしたこともして、というのだ。
「目っていうのは喋るからさ」
「口程にっていうのは確かね」
「そうなんだよな、とにかくな」
「とにかくよね」
「あたしも帰らないといけないしさ」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ