第二十七話 光の力その八
[8]前話 [2]次話
「それこそ一発でも浴びたらな」
「姉さんは終わりよ」
「だよな、鈴蘭ちゃん大丈夫か?」
「ええ、確かに一撃受ければ終わりだけれど」
それでもだというのだ。
「受けなければね」
「どうということはないってことか」
「ええ、そうよ」
その通りだというのだ。
「幾ら威力のある攻撃でもね」
「それが当たらないと確かに意味がないな」
「そういうことよ」
「まあそうだけれどな」
「油断は出来ないわね」
「ああ、相手だってな」
怪人にしてもというのだ。
「馬鹿じゃないしな」
「これまで頭の悪い怪人はいなかったわ」
それこそ一人も、というのだ。
「だからね」
「あの怪人もな」
「そのことはわかっているわ」
攻撃は当てなければ意味がない、例えそれがどれだけ威力があろうともだ。
「当然ね」
「だろうな、じゃあな」
「姉さんはどうして怪人の攻撃をかわすか」
そして、だった。
「怪人はどうして姉さんに攻撃を当てるか」
「そうした勝負か」
「ええ、そうよ」
それがこの闘いだとだ、黒蘭は看破した。
そしてだ、こうも言うのだった。
「そして姉さんはね」
「攻撃に当たらないか」
「そうした失敗はしないわ」
黒蘭は姉への絶対の信頼も見せた、そしてだった。
鈴蘭は怪人と対峙していた、その中で。
持っていた刀を左から右に一閃させた、その刃からだった。
雷、白いそれを出した。それで怪人を撃とうというのだ。
しかも一撃だけではない、次々と放つ。だが。
怪人はその巨体からは想像も出来ない位に素早い動きで左右に動いてだ、そうしてその刃から出された雷をだ。
見事にかわしてみせた、それと共に。
間合いを詰めていく、そうしてだった。
その右拳を出して鈴蘭を狙った、だが。
鈴蘭もさるものだった、その拳を。
屈んでかわしてだ、まさに返す刀で。
怪人の腹に突きを入れた、しかしその突きを。
怪人はかわしてみせた、後ろに跳び。
そうしてかわしてだ、鈴蘭に対して楽しげに言った。
「まさに攻防一体だな」
「それが剣道よ」
「かわしそしてだな」
「攻撃を仕掛ける、それがね」
「剣道か」
「少なくとも私の剣道はそうよ」
鈴蘭、彼女のそれがというのだ。
「だから侮れないわよ」
「その様だな、しかし」
「それは貴方もよね」
「その通りだよ、俺だってな」
「攻防一体ね」
「馬鹿じゃないつもりだよ」
威勢のある声での言葉だった。
「だから必ずな」
「その力で私を」
「倒してやるぜ、ただ苦しまない様にするからな」
それは間違いないというのだ。
「感謝するんだな」
「感謝することはないわ」
それは特に、というのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ