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FOOLのアルカニスト
敵対者の契約者
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全部ではないにしろ複数のアルカナのペルソナを使えるということか?」

 「いいえ、それは正しくはありません。確かに貴方はアルカニストだが、貴方は複数のペルソナを使い分けることはできても、複数のアルカナを使えない。いえ、使えなくなったというべきでしょうか……」

 「なんだと、それはどういう意味だ?」

 「貴方が宿す『FOOL(愚者)』、それは特別なアルカナです。この世界においては、『ワイルド』における『ユニバース』に至るまでの旅路の始まりを示すもの。そして、別世界では、探そうと思わなければ見つけられないものであり、非情に入手困難なそれでいて何人も拒まない特別なアルカナだ。
 貴方は『ワイルド』ではありませんから、必然的に後者のものになるわけですが、本来ならありえないのですよ。彼らを最初から宿すなどということは」

 話を聞くに、透真はどうやら単純に『PERSONA2』のペルソナ使いというわけではないようである。まあ、彼自身も、またペルソナの入手もイレギュラー極まりないから当然かもしれないが……。

 「彼らは、興味のある者にしか手を出さない。『FOOL(愚者)』の本質は旅人であり、1つところに留まるをよしとしないものなのです。それにも関わらず、貴方は『FOOL(愚者)』を宿しておいでだ。それも専用ペルソナとして。
 どうやら貴方は非常に数奇な運命をお持ちのようだ。私も長くここにますが、このような事態は初めてです。結論を申しましょう。貴方は『FOOL(愚者)』に選ばれたのです。真の意味での『FOOL(愚者)』のアルカニストとして」

 興味深げに言うイゴール。しかし、そんなこといわれても透真は疑問で一杯である。

 「数奇な運命というのは分かるが、真の意味での『FOOL(愚者)』のアルカニストとしてというのはどういうことだ?それに他のアルカナを使えないという制限は?」

 「貴方は彼らに見込まれてしまったのですよ。興味深い存在として、彼らの写し身たる者として。結果、貴方は他のアルカナを使えないという制限を受ける代わりに、彼らを自由に召喚できるという特権を与えられたのです」

 『PERSONA2』における『FOOL(愚者)』のアルカナは、唯一悪魔絵師にも描けないアルカナであり、その系統のペルソナを宿すには、悪魔との交渉で洒落にならないほどの手間をかけて、『FOOL(愚者)』タロットを集めなければならない。透真自身、エンディング後に集めたことがあるが、最初の一枚を得るのに10時間かかったといえば、それがどれだけ困難であることか分かるだろう。ぶっちゃけラスボス倒すより手間のかかる作業であった。それを思えば、彼らを自由に呼び出せるという特権は大きい。
 
 しかし、他のアルカナを使えないというのは、それ以上に最悪のデメリ
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