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Element Magic Trinity
散る群青 願う彼女 立ち上がる少女
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すぐ近くにいる。
手を伸ばさなくても十分に届くような距離で、嘲笑っている。

「星竜は無から世界を生み出した!だからかしらね、無から有を生み出すのは得意なのよ!」
「……!」

――――――ニセモノ。

その四文字が脳裏を掠めるように走り、ティアは目を見開く。
突然の事への驚きからか、目の前にいるシャロンへの恐怖か、一気に計算式が崩れた事による焦りか。それを確かめる暇もなく、ティアの視線はシャロンの両手の光に引っ張られる。
竜を滅する魔法。竜人であるティアにとっての脅威であるその光から、目が離れない。ぞくりと寒気が走るのを感じながら、体が凍ってしまったかのように動けない。

「滅竜奥義!」

聞こえたのは、ティアが恐れていた“奥の手”とも呼べる一撃だった。ただでさえ高威力の一撃は、ティアの竜としての本能を一気に恐怖に突き落とす。
生粋の竜であれば“所詮は人間の一撃だ”と思うだけだっただろうが、人間の血を持つティアにとっては違う。
竜としての本能、人間としての脆さ。その2つが合わさって、戦慄へと変わる。





―――――――アイツが、名前を呼ぶ声が聞こえた。









「グランドクロス!」








轟!と。
シャロンの両手から放たれた金色の旋風が、ティアの姿を掻き消すように呑み込んだ。










「そんな……」

そう呟いたのは誰だったか。
クロスの口から語られたそれはその場にいた全員を驚愕させ、その先に続く言葉を奪う。マカロフでさえも目を見開く事態に、クロスは本宅の方に目を向けた。
嫌な思い出しかない本宅にいるであろう最愛の姉の姿を脳裏に描きつつ、ぎゅっと唇を噛みしめる。

(お願いだから…無事に戻って来てくれ、姉さん……)

祈るように目を閉じて、相手の目的を知りつつ、それが本当であるならば救われる姉を想う。
いつだって沢山の不幸や嫌悪を受け止めてきた姿は力強くもあり儚くて、クロスは拳を握りしめた。










「戦ってる…のかな」

彼等の戦場からそう遠くない場所で、彼女はポツリと呟いた。桜色のロングカーディガンを羽織る姿を、部屋の姿見が映している。
聞こえる激しく大きな音に耳を澄ませつつ、彼女はぐっと唇を噛みしめた。

(だとしたら、これはチャンスになる……!絶対に、逃す訳にはいかない)

思い浮かべるのは彼の事。
いつだって強い彼の事だから、きっと立ち直っているだろう。けれど、やはり会いたい気持ちに変わりはなくて。
もし彼の傍に別の誰かがいたとしても――――それを受け止める覚悟はあった。

(お願い、私を見つけて…!)

笑って、何を押し付けら
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