暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アリシゼーション編
第一章?七武侠会議編
狼煙
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は外敵を討つ」

それは、分かっている。分かってはいるからどこか期待していた。ホークス内では一兵卒よりも戦力的に劣る自分は前線には行かないだろう、と。清水から最低限の防衛力を除いた援軍で鹿児島に行き、支部の戦力と合わせてそれなりの力になるため、自分が出る事は無いだろうと思っていた。

「不服か?」
「……ええ、本音では。俺では戦力になりません。藤原隊長、貴方にそれが分からないはずはありませんが?」
「ああ、理解しているとも。最初から戦力としては数えてはいない。貴殿には全体の指揮を執って貰う。あくまで後方、貴殿の安全は我々が保証しよう」
「…………」

それもそれで問題がある気もするが、これで俺が言い逃れる道は塞がれた事となる。最早、諦めるしかない。

「分かりまーー「ダメ」ーー木綿季……」
「ダメ。螢は連れて行かせない」

木綿季は何も分かっていないはずだ。俺が事前に把握していた事を含めて何も教えていないのだから。
山東の事は勿論、今現在、この国に迫りつつある外敵の事も知らない。そいつらがしようとしている事も、その危険性も。
木綿季は俺に、一緒に重荷を背負うと言ってくれた。しかし、俺はそれを全く背負わせていない。その言葉だけで十分救われたし、それに木綿季はもう一生分頑張ったのだから。俺はこれ以上何も、彼女に負って欲しくなかった。
木綿季は聡い。自分が何も事情を弁えてない事を理解している。理解していながらその不明瞭な事情において、俺が危険な事になると分かった途端、それを否定した。俺を、守る為に。

「……紺野木綿季嬢。お気持ちは分からんでもないが、水城隊長の手は今、何よりも代え難い貴重なものなのだ。どうか……」
「それはおかしいよ、おじさん。ボクと螢が離れ離れになって、螢だけ危険な目に遭っるのにボクは何も出来ない。それに耐える辛さよりも代え難い事なんて無いよ」
「……う、うむ。しかし……」

俺はホークス随一の戦士が気圧されている光景が信じられなかった。ホークスの前身は悪名高き旧日帝陸軍。人数が少数ながら『師団』を称しているのはそれが由来だが、少数故にその戦力は精鋭無比。その化物じみた人員を掌握する隊長陣は将としての器は勿論、相応の戦闘力を求められる。例外は俺の第三師団で、こちらは研究・開発・試験運用が本職の為、その条件を満たしてなくても問題無い。
ただ、他の二隊長は違う。もし、人類最強決戦をやったら間違いなく上位に食い込む実力者だ。それをただの女の子である木綿季が威圧していた。
しどろもどろになった藤原隊長にある意味で助け舟を出したのは友紀奈だった。

「あの、藤原殿」
「は……何でございましょう」
「私は、彼を私の『剣と盾』にする事に決めました。勝手に連れて行くのは許可しません」
「「は?」」「は
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ