アリシゼーション編
第一章?七武侠会議編
狼煙
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「ふん、下っ端をあてがわれるとは俺も舐められたものだな。忠告だ、今すぐ引け」
しかし暗殺師の女は白兵戦にも自信があるのか、フンと鼻を鳴らして小刀と千本を構えた。
それに対し、俺ははぁ、とため息を吐いて言ってやる。
「お前は知らないだろうが、良いことを教えてやろう。3ヶ月前の戦いの時もお前ら山東の七武神は俺の警告を聴かず《剣帝》を前に尻尾を巻いて逃げ去った。学ばないのか?お前達は」
「何を……ウッ??」
暗殺師の女は突然首に手をやったかと思うと白目を剥いて気絶する。気配を殺して標的の後ろから接近し、急速に首の血管を締めた事によって意識を手早く刈り取る。プロセスとしては簡単だが、この一連の流れを呼吸するかの如く容易に行える知り合いとなると、彼女しかいない。
「助かりました。遊菜さん」
「いえいえ〜。間に合って何よりです♪」
語尾に音符マークが付きそうなくらい、妙なテンションで現れたのは同僚にして七武侠清水の全権代理人、清水遊菜。彼女が居るという事は……。
「相変わらず見事な手際よ」
「ご無事ですか、皆さん」
「藤原隊長……と沙良?何故ここに?」
どう見ても有事なため、ホークスのメンバーである2人が脱出して最寄りの支部へ向かうのは分かっていたが、沙良は親父達と残っていると思っていた。
「それは吾輩が説明しよう。今は移動である」
ちなみにこの藤原暁。一人称は吾輩で口調もかなり古風。某スチームパンク漫画の某少佐に似ているため、陰のあだ名は『少佐』だったりする。おまけに戦闘スタイルもあつらえたように純格闘型。最早、狙っているのかと思われても仕方が無い。
「分かりました。急ぎましょう」
1時間半後には新幹線で京都を離れていた。その間襲撃は無かったが、危うい場面は幾つかあった。何故無かったのかと訊かれれば、やられる前にやった、としか答えられないのだが。
「……なるほど。そうゆう事でしたか」
俺たちは3人掛けの椅子を2組、向かい合わせるようにして動かして対面していた。窓側から木綿季、俺、友紀奈。反対側に沙良、藤原隊長、遊菜さんといった具合だ。この席順を決める時に木綿季、沙良、友紀奈で不穏な空気が流れ、遊菜さんが面白がって煽ったという事件(?)があったが、それは割愛する。
「それで俺達は今、どこに向かっているんです?」
方角的には西なので、中国四国地方或いは九州に逃れるのだろうが。
「長崎の清水の家に寄る。そこで非戦闘員の保護を依頼し、吾輩達は鹿児島のホークス九州支部に、海路で最終目的地へ向かう」
「……俺も、ですか?」
「無論。今は戦力が分断され、人手が足りていない。業務の統一は妥当。それに、山東はじきに東に向かうだろう。首都に到達する前にまず
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