第三話〜円〜
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のだろうか、ドタドタと大きな音が響く。しかし悲鳴は姉ちゃんのではなく、男の人の声だった。姉ちゃんの心配と他人だったらマズいと思い、急いで玄関へと走る。するとそこには、、、、。
「いたたたた、、、。ん?君は?」
突撃の威力が強すぎたのか、自分で気絶してしまった雛苺を見やる人物。後ろには姉ちゃんがいたが、まさかこの人が来るとは。水銀燈の言う通りだったな。
「し、紫苑、、、さん?」
「あ、やぁどうも。ジュン君。ちょっとお邪魔したいと思ってね。いいかな?」
「別に、大丈夫ですけど。」
「そっか。ありがとう。ところで、、、、、この子は?」
水銀燈の時とデジャヴを感じた。まぁ当然の反応だろうが、襲いかかってきたであろう雛苺を抱っこして、僕に手渡しながら聞いてきた。
「え、えーと、この子は、、、。」
僕が言葉を濁した時、大きな音を、聞きつけ彼女達もやってきた。
「な、何が起こったですか??」
「大丈夫??ジュン君!」
もう、隠す必要なんかなくなってしまった。
「と、言うことは。彼女達も水銀燈と同じシリーズの人形で、人間と同じように生きている。ってことでいいのかな?」
さすがに隠しきれないので、人形達と一緒に僕の部屋で紫苑さんにローゼンメイデン達のことを洗いざらい話した。アリスゲームのことは伏せたが。
「、、、。ジュン君は優しいな。」
「え?」
「水銀燈から貰った指輪、嵌めてみたんだ。そしたらさ、」
僕は紫苑さんから柿崎めぐを通してアリスゲームや水銀燈のことを教えられたことを聞いた。
「そんなことが、、、。」
「でも、まさかこんなにたくさんの人形達がいるとは思わなかったな。僕が知ってるのは断片的なところだから。」
僕の後ろにいる翠星石達を見て紫苑さんはそう言った。僕は、すごく申し訳ないと思った。めぐさんのことを黙っていたこと。それは水銀燈も同じだろう。すると紫苑さんが今日きた目的を話してくれた。
「今日はさ、お礼を言いに来たんだ。」
「お礼?」
「うん。めぐのこと。、、、、その、めぐから色々見せられてさ、彼女が何を考えていたのかも、君達が何をしてきたのかも。」
「、、、、。」
僕はただただ聞いていた。僕にはそうするしかない。
「最初はどうして?って思った。だけど、考え直してさ。本当は僕がしなくちゃいけないことを、君達がやってくれたんだよね。だからその、、、本当に、ありがとう。」
紫苑さんは言い切って、深々と頭を下げた。僕は、より一層罪悪感に苛まれた。それでも救えなかったのだ。彼女の命を。
「でも、僕は彼女を、、、。」
僕が俯くと、紫苑さんは優しく声をかけた。
「いや、それは彼女が
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