第三話〜円〜
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ースか子供向けのバラエティーがやっている。ふと、テレビに映った時間を見て気付いた。絵を描いていた雛苺も、同じように気付いたみたいで、声を張り上げた。
「くんくん始まるのぉー??」
その瞬間、さっきまで話に夢中だったはずの双子は目の色を変え、見えない速さでテレビの前のソファへと腰掛けた。僕は呆れたようにリモコンでチャンネルを切り替える。
「始まる、五分前に呼ぶとはチビ苺もやぁーっとデキるようになったですね!」
「えへへ〜、ヒナ頑張ったの〜!」
翠星石が雛苺に労いの言葉をかけている。こき使うところは相変わらずだ。
「ホント、お前らも好きだよな。」
「あ〜ったり前ですぅ。翠星石達はくんくんをずーっと見てきたんですよ?もう親みたいなもんです!それよりジュン?」
「ああ、分かってるよ。」
僕はDVDデッキを操作して、録画の準備をする。まあ、真紅のためだ。あいつが起きた時にくんくんを録ってなかったら一体どんな目に合うか分からない。一通り録画の準備が出来たので、ソファへと戻る。と、水銀燈も降りてきていた。そう、一番驚いたのが水銀燈がくんくんにハマった(?)こと。最初は馬鹿にしていたものの、見始めた途端に、続きは?とか、もう終わり?とか催促しだした。翠星石がすかさず、イジったが水銀燈も完全な否定はせず、今ではこうしてくんくんが放送するときはリビングへと降りてきている。
「なにしてるですか、水銀燈!早くこっちに座るです。もう始まるですよ!」
「ったく、、、。うるさいわねぇ。」
口では悪態をつきながらも、ソファの端へと座る。番組が始まれば皆、目をテレビに釘付けにして瞬き一つせずに見入る。やがて、事件も解決してくんくんが最後の締め台詞を言う。
『それじゃあ、次回も!よろし〜ぃ、くんくん??』
緊迫した状態から一気に開放されたので、全員がふぅ、と額の汗を拭った。
「もう何度も見たけど、本当に本格的だねこれは。」
翠星石に勧められてハマった蒼星石が呟いた。少しして、翠星石が呟いた。
「、、、真紅もきっと見たいですよね。」
「うん、、、。そうだね。」
なんとなく空気が沈む。はっとした翠星石が振り払うように声を上げる。
「さ、さぁーて!おやつでも作りますかね!蒼星石、手伝うですよ!」
「う、うん。僕で大丈夫かな?」
2人はキッチンへ。僕は隣で眠そうな水銀燈を見た。
(紫苑さんにはいつ会いに行くんだろうか。僕も一緒に行った方がいいんだろうか?)
それを聞こうとした時、ガチャガチャと玄関のドアが開く音がした。雛苺がいち早く反応してドアへと走り、叫んだ。
「のぉ〜〜りぃ〜〜!おかえりなのー??」
「え?うわぁぁぁぁぁ!」
飛びかかった
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