第三話〜円〜
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?」
「はい。ウチは小さい店ですが、オーナーが外国から珍しい花を貰ってくるので。」
「じゃあ、お願いします。」
財布をだすのり。僕はすかさず手を出した。
「お代はいいですよ。」
「え?でも、、珍しいんでしょう?」
「めぐ、そういうのは嫌いだと思いますから。」
「はぁ。」
「それと、僕も一緒に行っていいですか?お礼もちゃんとしたいし。」
「いいですよぅ、そんなお礼なんて。」
「いいえ、お礼はします。」
それから僕は早々と黒薔薇をのりさんに渡し、店を閉めた。遠慮する彼女の買い物袋を半ば強引に持って、めぐのお墓へと向かった。途中色々と話をした。家族のこととか簡単なもの。
「じゃあ、弟君も大変なんですね。」
なんでものりさんの弟さんは友達を助けるために頑張っているらしい。それが彼女にとっては一番の出来事だと言うのだ。
「はい、それにジュ、、いえ、弟もめぐちゃんのお墓に行ったみたいで。」
「え?」
のりさんの弟君がめぐのお墓に?ということは、もしかして、、。本当にただ思っただけで確証はないけど、だからこそ聞いてみた。
「のりさん、苗字、何でしたっけ?」
「え?桜田、、、ですけど?」
やっぱりか。じゃあジュン君はのりさんの、、、。めぐの墓の前で彼女に解けた疑問の事を話す。
「そうでしたか。ジュン君とはもう会ってたんですね。」
「はい。」
のりさんは丁寧に手を合わせて、祈った。僕も隣で手を合わせる。
(めぐ、まだいたね。君の事を思う人が。)
祈り終えた僕は立ち上がり、のりさんにお願いをした。
「のりさん。」
「はい?」
「のりさんの家に行ってもいいですか?ジュン君にも改めてお礼が言いたいので。」
のりさんは少し躊躇ったが許可を出してくれた。理由はなんとなく分かる。たぶん水銀燈がいるからだろう。普段、人には見せないらしいから。僕達は彼女の家に向かうため墓から歩き出す。
(また来るよ。めぐ。)
それは心の中で呟いたつもりだったのだが。
(いつもありがとう。)
「え?」
突然振り返った僕に、どうしたんですか?とのりさんに聞いてきたが、たぶん空耳だろうと思い、気にせず歩いた。けれど確かに聞こえた小さな声。
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桜田ジュンは、家にいた。姉であるのりが買い物に行ったのでその留守番をしているところだ。朝食も既に食べ終えて、食休みにソファに座り込んでいる。目の前のテーブルでは雛苺がクレヨンで絵を描いている。翠星石と蒼星石は縁側で仲良く話している。水銀燈は、、、たぶん屋根の上だろう。ずっと座っているのもなんなので、テレビをつける。この時間帯はニュ
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