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うみねこのなく頃に散《虚無》
第一の晩 (1)
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指す者よ、これを下りて鍵を探せ。
 川を下れば、やがて里あり。
 その里にて二人が口にし岸を探れ。
 そこに黄金郷への鍵が眠る。

 第一の晩に、鍵の選びし六人を生贄に捧げよ。
 第二の晩に、残されし者は寄り添う二人を引き裂け。
 第三の晩に、残されし者は誉れ高き我が名を讃えよ。
 第四の晩に、頭を抉りて殺せ。
 第五の晩に、胸を抉りて殺せ。
 第六の晩に、腹を抉りて殺せ。
 第七の晩に、膝を抉りて殺せ。
 第八の晩に、足を抉りて殺せ。
 第九の晩に、魔女は蘇り、誰も生き残れはしない。
 第十の晩に、旅は終わり、黄金の郷に至るだろう。

 魔女は賢者を讃え、四つの宝を授けるだろう。

 一つは、黄金郷の全ての黄金。
 一つは、全ての死者の魂を蘇らせ。
 一つは、失った愛すらも蘇らせる。
 一つは、魔女を永遠に眠りにつかせよう。

 安らかに眠れ、』


「ーーー我が最愛の魔女ベアトリーチェ」


 一言半句、間違いは無い。
 俺の隣りで、小さな手で拍手をする真里亞以外は、“絶句”という言葉が似合いそうなほど呆然と立ち尽くしていた。


「納得していただけたかな? 次は、俺からの質問だ。
ーー 他の奴らはどうしたんだ?」


 ただの確認のつもりだったんだが、彼らには違うように聞こえたらしい。俺の質問をかき消す勢いで、少々口が悪い声が「ふざけんな」と割り込んだ。
 声の持ち主は少女。名を朱志香という。


「お前が、父さんと嘉音くんを殺したんだ!」

「何の話だ。俺は客として来ただけだぞ。よかったら話してくれないかーー」



◇◆◇◆◇◆◇◆



「ーーベアトリーチェ」


 視界が変化する。
 目の前に広がっているのは玄関ホールではない。俺の居た世界によく似た白い部屋だ。

 久しぶりに会う友の名を呼ぶと、ソイツは嬉しそうに駆け寄って来た。


「ロー! ローではないか!」


 俺を「ロー」と愛称で呼ぶのは彼女くらいだろう。
 彼女の名は、魔女ベアトリーチェ。金髪に蒼い目。真紅のドレスを身にまとっている。


「元気だったようだな。順調か?」

「うむ。だが、やはり奴の魔法を否定する力は侮れん」

「それはそれは...やりがいがありそうだな」


 ベアトリーチェが視線を移す先に、今にも襲いかかって来そうなほど睨んでいる人間...右代宮 戦人の姿があった。

 やはり、戦人は金蔵の若い頃によく似ている。
 ただ違うのは、魔法を否定している事だけだろうか。


「ゲーム盤の外で会うのは初めてだな。右代宮 狼銃こと、ローガン・R・ロストだ。好きに呼んでくれ」


 左手を差し出す。が、弾かれた
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