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うみねこのなく頃に散《虚無》
第一の晩 (1)
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ちろん。ベアトリーチェの友人だと言ったろう? 忘れたのか、俺とは以前にも会ったことがあるぞ。......《原初の魔女 マリア》」


 そこまで言ったところで、上の階から人の群れが駆け下りて来た。地響きのような足音が鳴る。
 顔ぶれは、やはり右代宮家の親族たちだ。


「19人目がいたって本当なのっ!?」

「真里亞ちゃんの側におる奴がそうか!」

「ま、真里亞っ! その人から離れなさい!」


 絵羽、秀吉、楼座。


「貴方は、一体...何者ですか?」

「あれは......義手? あれに刻まれてるのって...」

「あいつが...あいつが嘉音くんを! 父さんをっ!」


 夏妃、霧江、朱志香。

 発言した順に名を上げるなら、こんな感じか。
 あと、驚いて声にならない様子の青年が2人。戦人と譲治だ。
 これで全員?......何人か足りないな。


「源次。これで全員か?」

「はい」


 ......なるほど。第一の晩は終了したのか。
 ここにいない人間は7人。金蔵と蔵臼の他、使用人の熊沢、紗音、嘉音、郷田。金蔵の主治医の南條。

 さて。睨んでくる親族たちに説明するとしようか。


「俺の名は、右代宮 狼銃。金蔵と魔女ベアトリーチェの友人だ。言いたい事か聞きたい事があるなら、順番に頼む。一応、全員の顔と名前は覚えているつもりだが、一人一人確認させてもらう」


 勝手な事を言っている自覚はある。
 おー...。皆、怖い顔してるなぁ。


「まずは私よ。最初の確認だけど、貴方本当に右代宮家の人?」

「ああ。その通りだよ、霧江」

「あら、本当に知ってるのね」

「一応は、な。因みに、アンタは留弗夫の後妻なのも知っている」


 冷静を装っていた表情が崩れる。が、一瞬で元に戻る。
 ドS仲間。......そう思っているのは俺だけだろうな。


「それで? 貴方が右代宮の人間である証拠は?」

「この義肢を見ればわかるだろう」


 俺は右腕を前に突き出す。義肢に描かれているのは《片翼の鷲》。
 右代宮の人間である証拠だ。


「それだけじゃ納得いかないわ!」

「絵羽か。...なら、どう証明したらいい?」

「っ...! そうだわ、お父様の碑文。お父様の友人なら、あの碑文の事は知っているはずよねぇ?」


 碑文。碑文ねぇ...。あんな言葉遊びが、碑文。
 笑える。

 それを黄金の隠し場所を示す鍵にする金蔵も、未だに解けずにいるコイツらも。ーー笑える。いや、我慢だ我慢。


「お安い御用だ。そんなものでいいなら、いくらでも」


『懐かしき、故郷を貫く鮎の川。
 黄金郷を目
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