第一の晩 (1)
[3/5]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ちろん。ベアトリーチェの友人だと言ったろう? 忘れたのか、俺とは以前にも会ったことがあるぞ。......《原初の魔女 マリア》」
そこまで言ったところで、上の階から人の群れが駆け下りて来た。地響きのような足音が鳴る。
顔ぶれは、やはり右代宮家の親族たちだ。
「19人目がいたって本当なのっ!?」
「真里亞ちゃんの側におる奴がそうか!」
「ま、真里亞っ! その人から離れなさい!」
絵羽、秀吉、楼座。
「貴方は、一体...何者ですか?」
「あれは......義手? あれに刻まれてるのって...」
「あいつが...あいつが嘉音くんを! 父さんをっ!」
夏妃、霧江、朱志香。
発言した順に名を上げるなら、こんな感じか。
あと、驚いて声にならない様子の青年が2人。戦人と譲治だ。
これで全員?......何人か足りないな。
「源次。これで全員か?」
「はい」
......なるほど。第一の晩は終了したのか。
ここにいない人間は7人。金蔵と蔵臼の他、使用人の熊沢、紗音、嘉音、郷田。金蔵の主治医の南條。
さて。睨んでくる親族たちに説明するとしようか。
「俺の名は、右代宮 狼銃。金蔵と魔女ベアトリーチェの友人だ。言いたい事か聞きたい事があるなら、順番に頼む。一応、全員の顔と名前は覚えているつもりだが、一人一人確認させてもらう」
勝手な事を言っている自覚はある。
おー...。皆、怖い顔してるなぁ。
「まずは私よ。最初の確認だけど、貴方本当に右代宮家の人?」
「ああ。その通りだよ、霧江」
「あら、本当に知ってるのね」
「一応は、な。因みに、アンタは留弗夫の後妻なのも知っている」
冷静を装っていた表情が崩れる。が、一瞬で元に戻る。
ドS仲間。......そう思っているのは俺だけだろうな。
「それで? 貴方が右代宮の人間である証拠は?」
「この義肢を見ればわかるだろう」
俺は右腕を前に突き出す。義肢に描かれているのは《片翼の鷲》。
右代宮の人間である証拠だ。
「それだけじゃ納得いかないわ!」
「絵羽か。...なら、どう証明したらいい?」
「っ...! そうだわ、お父様の碑文。お父様の友人なら、あの碑文の事は知っているはずよねぇ?」
碑文。碑文ねぇ...。あんな言葉遊びが、碑文。
笑える。
それを黄金の隠し場所を示す鍵にする金蔵も、未だに解けずにいるコイツらも。ーー笑える。いや、我慢だ我慢。
「お安い御用だ。そんなものでいいなら、いくらでも」
『懐かしき、故郷を貫く鮎の川。
黄金郷を目
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ