第二章
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第二章
「あんたは変わったのにな」
「嫌だ、全然変わってないわよ」
「いや、変わったよ」
俺から見れば本当に変わった。それは否定する気はなかった。当然嘘でもなかった。
「何ていうかさ、あんたのお母さんそっくりになったな」
「えっ、そう!?」
「ああ、何か。すごい似てきたぜ」
「それよく言われるわね」
「そうだろ」
ここで奇麗になったとかは生憎言えなかった。言ったらそれで告白みたいになるししかも相手はもう結婚している。言ったらやばいのは俺でもわかることだった。
「クローンかと思ったぜ、いや本当に」
「だったらうちのお母さんにも久し振りに会ってみる?」
「いや、それ遠慮しとくよ」
これは真剣に断った。彼女のお母さんにはガキの頃悪さをしてこっぴどく怒られたことがある。何をして怒られたのかはよく覚えてないがとにかく派手に怒られた。だからそれは勘弁願いたかった。
「それにしても本当にな。そっくりだよな」
「岡本さんもそうかもね」
「あいつも!?」
「うん」
「そういやあいつとあいつのお母さんってそっくりだったな」
岡本という女の子とは幼稚園からの付き合いで家もすぐ側だった。そいつのお母さんは細面で気品のある奇麗な人だった。しかもおしとやかだった。だが本人は。
太っていて小生意気な女だった。色は白いが太っていたので可愛いなんて全く思わなかった。そいつとはガキの頃飽きる程喧嘩をした。はっきり言って嫌な女だった。それは今でも同じだ。
「そうよ。確か今日来てるけど」
「小学生の頃より太ってたりしてな」
「レディーに対してそんなこと言わないの」
これにはすぐにお叱りの言葉がきた。
「そんなのだから子供だって言われるのよ」
「へいへい」
「探してみたら」
お叱りは半分耳から捨てていたがそこでふとこう言われた。
「今どうなってるかって?」
「そうよ。会ってみたらいいわ」
「まあ物見遊山でな」
「いい加減にしなさい」
これははっきりと怒られた。
「じゃあ行くか?」
「いや、俺はいい」
連れにはそれは断られた。
「それよりもちょっと他に会いたい奴がいたからな」
「サッカー部の連中か?」
「ああ、そいつ等に会ってくる。じゃあな」
「ああ」
これで一旦別れた。そこでまた彼女が声をかけてきた。
「で、君も行くのね」
「君って」
増々俺の方がガキに思えてきた。
「あのさあ」
「あっ、噂をすれば」
ここで話が急に変わっちまった。タイミングがいいのか悪いのか。
「岡本さんよ」
「えっ、何処!?」
残念だが岡本さんらしき人は俺の視界には一人もいなかった。
「何処よ」
「冗談で言ってるの?」
「冗談でこんなこと言うかよ。何処なんだよ」
「ほら、あそこに」
「あ
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