九校戦編〈上〉
九校戦内容確認
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かが興味を持った相手で、新しく友人になった深雪の兄。
という間接的な繋がりから、俺と知り合いになったに過ぎない。最初は一歩引いたところからのツッコミだったが、今ではこんなにも打ち解けた顔を出している。
「モノリス・コードの試合は、全日本選手権と魔法科大学国際親善試合以外では、九校戦以外にやっていないからな」
九校戦は、魔法大学付属高校間の身内同士の交流試合であるが外部にも公開されている。例えば蒼い翼本社で、リアルタイムで観戦している俺=零達也とかだ。九校戦が、魔法競技を目にする事が出来る数少ない舞台でもある。魔法科高校各校の一学年定員は、九校合せて千二百名となっているが対して国内の十五歳男女の内実用レベルの魔法力を持つ者の合計人数は千二百から千五百名程度。
つまり、魔法の才能を持つ少年少女で魔法師・魔工師になろうとする者は、九校のどこかに入学する確率はほぼ十割である。故に高校の魔法競技は、剣術や拳法といった一部の競技除き、九校独占状態である。魔法競技に対する関心を高め、理解を深め、魔法そのものに対する社会認識を深める為に九校戦は数少ないアピールの場となっている。
「今年も強敵は三高かな?」
「多分」
得意分野と分かってエリカが水を向けると、雫は簡潔に言うがどことなく嬉しそうに頷いた。
「今年は見る側じゃなくて、競う側ですね」
雫は実技の学年二位だからなのか、新人戦メンバーの正式発表はまだ。だが深雪同様、雫が選ばれる事については当然だと言える。
「うん・・・・」
美月に水を向けられ、控えめに頷いた雫の顔には、やる気が芽を出していた。試験終了後、俺と蒼太はほぼ毎日放課後になると、風紀委員会本部で過ごしていた。夏休みが終わればすぐに生徒会長選挙となり、新会長が決まれば新たに選任された風紀委員の互選により、新しい風紀委員長が決まる。
伝統的と言っても悪しき伝統だが、風紀委員長の引き継ぎがまともに行われた試しはない。ほとんど整理されていない活動記録と共に丸投げ・・・・とこのようなパターンだ。それでも委員長は、一年の頃から委員として活動していたので、引き継ぎ無しでもそれ程困らない。
次期委員長にと、目を付けている二年生は風紀委員会の経験が無いのか。出来るだけ困らないような引き継ぎをしてやりたい、と委員長は考えていた・・・・その為の資料作りを俺と蒼太に丸投げ状態だ。
「俺と蒼太的には肉体労働より、こっちが多い気がしてやりませんな」
「権限持ちの人間を事務仕事丸投げというのは、本来なら怒られそうだが問題ないだろう。それにこういう仕事を慣れている人間は、風紀委員会の中でも貴重な人材だと私は思うぞ?」
感謝されているような気がするが、黙々と作業を続けている蒼太も、脳量子波で文句を言っ
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