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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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ちはしがない環境活動家として、細々と生きていれば良かったのだ。
御堂と関わったばっかりに。
御堂にさえ。御堂にさえ出会わなければ。
「御堂おおおおおおお!!!」
戦いが始まったと思えば姿を消した男の名を、相野は憤怒に満ちた声で呼んだ。
しかし返事は返ってこず、来るのは敵の弾幕だけだ。
相野のAK-47が弾を切らした。同じタイミングで残り二人の仲間が弾丸を受けて冷たい床に伏した。
もう負けだ。これ以上は戦えない。
このまま一人で戦っても、殺されるだけだ。
では降参するのか?
降参して捕まったとしても、自分はこの事件の主犯だ。
殺人か、国家反逆罪か、とりあえず何かしらの罪で死刑になるだろう。
「う、ううううわああああ!」
相野は仲間が落としたAK-47を拾い上げ、弾を撒き散らしながら後ろに逃げた。
廊下を曲がり、階段を登り、とにかく施設内を逃げた。
そしてたどり着いたのは、発電所の屋上だった。
逃げ場はない。小銃の弾ももう空だ。
捕まったら殺される。
ダム占領前は死を覚悟したはずなのに、今は死ぬのが恐ろしくて堪らない。
何かないか。何か、何か……。
「動くな!」
相野を追ってきたのは、ドイツ製短機関銃MP7を構えた常盤だった。後ろにはSAT隊員が連なっている。
機関銃の照準を相野に合わせ、投降を促す。
「投降しろ。両手を挙げて、地面に伏せるんだ」
常盤の声に、相野はゆっくりと振り返った。
そして両手を挙げる。が、その右手には小さな箱状の物が握られていた。
安物の携帯電話。爆弾の起爆スイッチだ。
「お、おお前らこそ動くな! 動いたらダムを爆破するぞ! いいか、全員銃を捨てて退け! 出ないとダムごと全員爆は―――」
相野の言葉を遮るように、銃声。血飛沫。そして悲鳴。
携帯電話を持っていた相野の右手。その手首から先が撃ち抉られて飛んで行った。
痛みに膝から崩れて悲鳴を上げ続ける相野を、常盤は慣れた体捌きで組み伏せる。
ベストから出した手錠で左手と、右手が無いので左足首を繋ぎ合せた。
その様子を眺めていたのは、山の傾斜で一部始終を観察し続けていた石室とムラサキだ。
樹木の陰。人質が殺された時から寸分違わない座射姿勢。
一時間近く、延々同じ姿勢で、いつでのタイミングでも撃てる姿勢で、耐え続けていた末の一射だ。
ムラサキが構えたステア―・スカウトの銃口からは、薄く紫煙が上っている。
「やるわね、ムラサキ。上手くなったじゃない」
「……うち狙撃好きやから」
蔵馬はモモとアザミを連れて、発電所を奥へ奥へと進んでいた。
残存の敵戦闘員はいないようで、一発も撃たないまま
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