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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
06
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 はしゃぐタンポポの頭を乱暴に撫でながら、初瀬はインカムで坂崎に通信する。

「――こちら初瀬。小河内ダムの制圧完了。捕虜は蔵馬さんか常盤になんとかして貰ってくれ」





 タンポポたちがダムを攻撃したのとほぼ同時刻。
 多摩川第一発電所でも、センターとテロリストの攻防が開始していた。
 発電所は背に切り立ったダムの提体があり、発電所の正面には橋が一本かかっている。
 発電所に侵入するにはこの橋以外に道は無く、故に最もテロリストたちの防御が厚い。
 その橋の防衛ラインが突破され、戦場は発電所内に移りつつあった。

「ほら、敵が来たぞ。迎え撃て」

 残り少ない戦闘員たちを発電所入り口に向かわせ、御堂は逆方向、人質を拘束しているタービンフロアに入って行った。
 先ほどから聞こえる銃声は、SATのMP5ではない。何種類かの異なる音だ。
M4カービンとMG4。他は聞いたことが無い。

「釣れたぞ……!」

 銃の種類はどうでもいい。
 今、この場に日本の警察にも自衛隊にも配備されていない銃器が持ち出されている。
 つまり公ではない政府の組織が動いているという事だ。
 御堂が起こした、このダム占拠作戦。
 この男の目的はダムの解体でも、環境開発の阻止でも、国内の弱小組織の手助けでもない。
 政府が設立したと思われる、非公式組織が本当に存在するのか確認するためだ。
 その為に、扇動家に連絡するのに使った、普段なら絶対に二度使わない公衆電話で日本山林保護戦線に連絡を取った。
 件の扇動家を攫った組織があるのならば、扇動家との繋がりに気付いて、この事件に介入しようとするはずだからだ。
 結果、思った通りにやって来た。
 マスコミに情報を流させなかったのは、非公式組織であろう連中が出てきやすいようにする為。
 ダムに爆弾をしかけてタイムリミットを設けたのは、警察に時間をかけた包囲戦をさせない為。
 人質を殺して脅しをかけたのも、事件の即応性を増して組織の出動に大義名分を作ってやる為。
 こうして散々金と人命を掛けて御堂が仕掛けた釣り餌は効果を発揮し、狙い通りの大魚を釣り上げたのだ。
 政府の非公式組織が存在することは分かった。
 想定よりも大分早い登場だったが、それだけ身軽な組織ということだろう。
 後は釣った新種の魚がどんな姿をしているのかを一目見て、さっさと退散しよう。
 そんな御堂の思惑など露程も知らない日本山林保護戦線の者々は、囮の羊にされた事にも気付かずに迫る敵と戦っていた。

「あああ……!」

 相野の隣で銃を乱射していた古株のメンバーが、額を撃ち抜かれて絶命した。
 戦闘員は相野を入れて、もう三人しか残っていない。
 やはりダム占拠など無茶だった。
 自分た
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