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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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、間違っても全滅させないように」
「サキちゃんサキちゃん!」
手を挙げてピョンピョン跳ねるタンポポに、坂崎は膝を折って視線を合わせる。
「どうしたのかなタンポポちゃん?」
「一人残せばオッケー?」
「出来れば三人くらいは残してほしいかなぁ。あとテロリストのリーダーである相野賢治は絶対確保」
「オッケー! 了解!」
絶対に了解していなさそうな能天気な声でオッケーオッケーと連呼するタンポポの頭を、坂崎は優しく撫でる。
そのまま黒い兵士たちに穏やかに、たおやかに、のどやかに言った。
「それでは行動開始。国家の敵に血と鋼鉄の粛清を」
小河内ダム提頂天端は、テロリストが点けたライトに照らされ視界良好だ。
土のうが積まれたバリケードを眺めるのは、黒装備の二人組。
ブッシュマスターACRを肩に担いだ男と、ベネリM3ソードオフを背負ったチビ。
初瀬とタンポポだ。
この場を死守していたSAT隊員たちは、明らかに困惑していた。
この場を指揮するらしい二人組は、素性を明かさず、武器も日本の治安組織が持つ装備では無く、一人は大人の半分ほどの背丈しかない。しかもチビは散弾銃の他に、腰に軍用トマホークまで吊っている。
一体こいつらは何なのだ、という当然の疑問が彼らの脳内にふつふつ湧くが、自分から言わないならきっと機密事項なのだろう。
「ねーねーシンイチ、このマスク取っていい? 息し難い」
「ああ? 部長が被れって言ってたんだし、取っちゃダメだろ」
言ってる間に、タンポポは頭をすっぽり覆うマスクを脱いでしまった。
出てきたのは、髪の短い、小動物めいた風貌の少女の顔だ。
「な!?」
「……あー、これ機密事項な。部外秘」
どよめくSATに、初瀬は口に人差し指を当ててシーッと仕草を見せた。
「んで、どうすんのシンイチ。突っ込む?」
「そうだな……」
突っ込んでもいいが、ただ突っ込めば間違いなく死ぬ。
遮蔽物のない直線の地形で、アサルトライフルの弾幕に晒されるのは自殺行為だ。
初瀬はSAT隊員に振り返る。そして彼らが持っていたバリスティック・シールドに目を付けた。
無言で一つ手に取り、持ち上げて重さを確かめる。
「これくらいなら大丈夫か。なあおい、この盾のNIJ規格は?」
「レベルVです」
話を振られたSATが答えたNIJ規格とは、防弾性能の国際規格のことだ。レベルVだとライフル弾にも耐えうる防弾性能を有する。その硬さは先ほどの戦闘でも実証済みだ。
「よしよし、これ借りるぞ。タンポポ、持てるか」
「何これ、盾? ……うわっ重っ!」
初瀬が両手で抱え渡したシールドを、タンポポは重いと言
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