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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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やった?」
「とりあえずの処置はしましたけど、ここじゃ止血までですね。
ていうか御堂さん、SAT滅茶苦茶強かったじゃないですか! 素人って言ってたのに!」
「お前……SATだぞ。日本屈指の戦闘のプロだ。
私が言ったのは、戦争の素人って意味だ。立て籠もり犯の相手が主任務だから、先制攻撃されることに慣れてないって事だよ」
「先にそれを言ってくださいよ……油断して死にかけたじゃないですか」
血に塗れた青年、天城健太郎は憮然として口を尖がらせた。
彼の野戦服の肩口が、銃弾の擦過で破れている。確かにあと10cm横にずれていたら、喉を貫かれて死んでいただろう。
「まあ、死ぬ奴は何をしてても死ぬから気にするな。それよりどうだった。初めての実戦は」
「怖いの半分、なんだこんな物かって気持ちが半分ってところですかね」
「ま、それが分かったならお前を連れてきた甲斐があったよ……お前包帯巻くの下手だな!」
映画に出てくるミイラの様にグチャグチャに巻かれた負傷者の包帯に、御堂は思わず突っ込んだ。
天城には色々と戦場のイロハを教える必要があるから衛生兵の役をやらせてみたが、これだと一人前になるまでに死傷者で一山築けそうだ。
天城はさらに唇を高く尖らせ、包帯を解いて巻きなおす。
その雑な手際に、負傷者が呻きを漏らした。
「それで、これからどうするんですか?」
「お前は包帯巻きなおしたら、撤退だ。今なら狙撃手も撃ってこない。教えた通りに山を抜けろ」
「分かりました。御堂さんは?」
御堂は釣り糸を巻き上げる様な仕草をして、一笑。
「釣った魚を見てから帰る」
一人目の人質が殺されてから四十二分後。
緊迫し、膠着した多摩湖周縁に動きがあった。
初めに気付いたのは、浅間神社で特U型輸送車の周りを警邏していたSAT隊員だ。
黒塗りのホンダ・ハイエースが二台、境内に入ってきたのだ。ガラスにはスモークが掛けられており、中を窺うことは出来ない。
「停まれ!」
SAT隊員の停止命令に従ったのか、ハイエースはSATが乗ってきた特U型輸送車の前に停車する。
SAT隊員はMP5を構え、すぐに発砲出来る様にセーフティを外し、トリガーに指を掛ける。
先頭のハイエース。その助手席の窓が開いた。
中から伸び出た二つの手。右手には白い紙が二枚。
続いてドアが開き、助手席にいた者が両手を挙げながら出てきた。
黒い戦闘服に同色のタクティカルベスト。フェイスマスクで頭部を覆い、その上からメガネを掛けている。大腿には拳銃が収まったホルスター。所属組織を表すワッペンも見当たらない。
どう控えめに見ても、堅気の連中ではない。
「何者だ?」
「政府の
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