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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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自分がすべき事を確認する。
車内は自然と、殺気が立ち込めていた。
突然、輸送車が停止した。
「どうした?」
先頭の輸送車。後部席にいた第一班の班長が、運転席に目をやる。
「班長、道が倒木で塞がれています」
「なに? テロリストのバリケードか?」
「いえ、ただ木が一本転がっているだけです。人影はありません」
「そうか。お前ら、木をどかしてこい」
班長は無線で停車の理由を後ろの二台に告げてから、隊員を五人、前方の倒木を撤去させに向かわせた。
車外の空気は山に冷やされ、紺の戦闘服から僅かに露出した肌に刺さる。
日々鍛錬を積むSAT隊員だ。
彼らは道路に寝そべる倒木を苦も無く担ぎ上げ、その時。
小さな火花を散らせる物体が二個、空から降ってきた。
それは、スチール缶にぎっしり黒色火薬と鉄の破片が詰められた、即席手榴弾だった。
倒木を担いで一列に並ぶ隊員の足元にそれらは転がり――爆発。
爆風により殺傷力を持って飛び散る鉄片が、彼らを貫き切り裂いた。
敵の奇襲だ。
混乱に陥るSAT達。
傷付いた仲間を救出せんと、外に飛び出してきた他の隊員たち。
何とか負傷者を輸送車に担ぎ込み、彼らは大慌てでこの場を離れようと、車と飛ばして道を進んでいった。
この様子を一部始終眺める者たちに、SATは気が付かなかった。
国道を挟む、木々生い茂る山の斜面。
御堂文昭がそこにいた。
カーキ色の野戦服を身に纏い、AK-47の改良型自動小銃AKMをスリングで背に吊っている。
今回のテロ。その首謀者はこの男だった。
倒木を用意し、手製の爆弾を投げ込んだのも御堂である。
御堂は闇に溶け込み、仲間を一人連れて、道路を見下ろしていた。
「素人だな。立て籠もってる犯罪者ばかり相手にしているからだ」
「どうして殺さなかったんですか?」
尋ねるのは御堂と同じ野戦服を着た青年だ。
その手にはルーマニア製の自動小銃PM md.90カービンが握られている。
「あれはSATだ。このままダムまで誘き寄せる」
「奴らが狙いではないんですね」
「その通り。さ、先に倒しておいた他の丸太にSATがビビって動けないうちに、ダムに戻ろう。日本山林保護戦線の連中、SAT以上に素人で使い物にならんからな」
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