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あかつきの少女たち Marionetta in Aurora.
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密売人に囲まれたモモは、まず自分に話しかけ、そして銃を向けてきた男の胸に9mm弾を撃ち込んだ。一発二発三発。心臓部に銃弾を受けた男は即死する。
続いて射線に一番近いAK-47を携えた男に発砲を移しながら、モモは膝を折って身を屈める。
背負っていたギターケースは一つしかない留め金を一指で開き、中身を放り出した。中に入っていたのはタボールAR21。
撃ち尽くしたPx4を放って宙のタボールを掴み、弾丸で敵を薙ぐ。弾を受けて、テロリストと密売人の二人が血を吹き出しながら崩れ落ちる。
男たちが呆気から意識を取り戻すまでに、すでに四人が屠られた。
彼らは応戦を始めるが、モモはその細い肢からは考えられない脚力で前に跳び、敵弾を躱す。そのままテロリストを跳び越える。
着地と同時に射撃。左腕で頭部を庇い、片手で小銃を手繰る。
「モモ!」
モモが連れて来られた方向から、蔵馬がSIG P220拳銃を構えながら駆け出てきた。
蔵馬は正確な射撃で、自分に銃の向きを変えるテロリストを順に射殺する。
挟まれた男たちは、バラバラに応射する。
密売人が拳銃弾がモモの左肩を掠って血を吹くが、モモは痛がるどころか瞬きすらせずに撃ち返す。
残る敵は一人。リーダー格の男だけだ。
「くそっ!」
男はAK-47の銃口でモモを追うが、弾は狙ったところに一つも飛んで行かない。三十発を撃ち尽くし、AK-47は白煙を上らせ静かになる。替えのマガジンは無い。そして味方も、もういない。全員殺され血の池に沈んでいる。
銃撃戦が始まって一分も経たずに、彼らはモモと蔵馬に壊滅させられたのだ。
二人は生き残った男を見下ろす。
「あなた銃撃つの下手ですね」
「お前銃の撃ち方を知ってるか? 銃はな、撃ちたい相手を狙って引き金を
引くんだ」
「く、くそおおおお!」
男は小銃を放り出し、鼠のように素早く密売人が落としたマカロフに飛びついた。そしてモモに狙いを定め、引き金に指をかける。
しかしマカロフが火を噴くより先に男から血飛沫が二つ舞う。一つは蔵馬が撃った右肩から。二つ目はマカロフを持った男の手から。
神経を焼く痛みに、男は悲鳴を上げる。
「やるぅ」
モモは感嘆を漏らして、海沿いのガントリークレーンに手を振った。そこに、男の手を狙撃した蔵馬の仲間がいる。
蔵馬は男に向けていたP220を降ろし、呻く男の腕を後ろに回して手錠をかけた。
「目標確保。撤収だ」
「く……くそおぉぉ……!」
痛みに身悶え、脂汗を全身から滴らせ、男は呻いた。
何なのだ。一体何が起こった。
年端もいかない子供と、たった一人の男に、全滅させられた。
警察では無い。警察はこんな無茶苦茶しない。
この国で、
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