第17,5話 奇襲的外交、そして…
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ス、代表の要求を一つ聞く
霧島さん以外でFクラスに要求したいものが有る生徒は居なかった為に、霧島さんの要求を一つ聞くというのが四回も賭の内容として含まれており、それを打ち消すようにFクラス側も要求反故を交えてきたのはFクラスは霧島さんが何を要求したいのか分かっているという事なのだろうか。
僕らでさえ首を傾げているというのに。
ちなみに、ほとんどの生徒は賭けに対しては第二試合のデザートのほか興味はないが、それでも破竹の快進撃を見せたFクラスへの対抗心や、恐怖心が高まっている。
とにかくFとの対戦参加者の選抜が僕らの急務となったのは言うまでもない。
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交渉末に、Aクラスとは賭けをしたという建前で開戦することが決まった。
対戦科目と試合順、また何を賭けるのかは昼休みと放課後の二度の会合で決まってしまったので、お互いに隠しあっているのはどの人物がどのタイミングで出てくるかだけになった。
最終的に試合順と科目、そして賭るものの内容は次のように決められた。
それぞれの試合ごとの賭けものはそれぞれのクラスでの同意を取り付け、既に決まってしまった。
Aクラス側の「代表の言うことを一つ聞く」といったユニークなものに始まり、Fクラス側の「施設交換」、双方同意の「学食のデザート無料券、クラス人数分×1週間」といったようにバリエーション豊富な賭けと相まって我がクラスは大いに盛り上がっている。
AクラスがFクラスに求めるものが代表以外には持ち合わせていないと言うことがよく解る内容にもなっているが、そこには何も言うことが出来ない。
とはいえ「代表の要求」とは何だろうか?
視界の端でムッツリーニが鼻血を出していたけれど、どうせろくな事を考えていないのだろう。
まったく、このクラスの人たちは無邪気すぎて困る。
仮面の下にそんな事を考えている僕は、自分の隠しているもののあまりの醜悪さに教室に居ることをつらく感じていた。
男嫌いな僕がよくもこんなに男臭いFクラスに適応できているという、この事態からしてまず奇跡的だと思う。
一重にそれは代表殿や、吉井、秀吉君といった僕を何もいわずに仲間として見なしてくれる存在のおかげであろうけれど、男が嫌いだという思いは変わらない。
屋上に随分と長いこと置かれ続けているのであろう何かの資材に腰を掛ける。
僕は今日ほど自分の「呪い」を感じたことはない。
「御門千早」が「妃宮」を名乗り、この学園でAクラスとの「外交の真似事」をしているというそのこと自体に僕は戦く。
僕の母さんの実家である妃宮家は明治に臣籍降下して以来華族として外交に従事することで国に尽くし、またそれを精神的な柱としてきた一族で、また史
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