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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十七話
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トの脳内に、何かが流れ込んでくる。それは祝詞。キリトの願いを、意志を、全てを収縮し、キリトという世界(セカイ)を塗り替える、《自在式》。

「『夜空の星よ。流星よ。魂の輝きよ。

  どうか俺を、正しき勝利へと導いてくれ。

  君たちが願うならば、俺は何度だって立ち上がれるから――――

  負けないから』」


 この時、キリトとホロウの一騎打ちを観戦していたエインヘルヤルが、小さくつぶやいた。

「……覚醒した」

 第三者視点から見れば、キリトの隣に、うすぼんやりと誰かが立っているのが見えただろう。それは、亜麻色の髪の少年だった。背格好は、まるで双子のようにキリトと似通っている。

「『まだ立てる。まだ速く成れる。もっと速く、もっと強く――――!!!

   ――――《惟神》――――

 《スターバースト・ストリーム》』!!!」


 空が、割れた。

 純白の王城の天井が、漆黒の夜空へと塗り替えられていく。そこに集う光、ひとつ、ふたつ、みっつ……

 気が付けば、漆黒を埋め尽くさんばかりの色とりどりの(ひかり)達が、キリトの夜空(セカイ)を埋め尽くしていた。それは彼の、仲間たちを手をつないで広げた(キャリバー)に輝く、彼らの魂の輝き。

 あの魂が彩る仮想世界でたどり着いた、最高の《心意》の再来。

「うふふっ、やっと本気を出せるようになれましたね、黒の剣士さんっ!」

 ホロウが笑う。キリトはそれを切り伏せんと、二刀を掲げて疾走する。

「う、お、お、お、おおおおおお!!!」

 流星が、刃に乗って、弾けた。
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