DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十七話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!」
絶望的な戦いは、終わらない。
***
一方で、もう一つの絶望的な戦いも続いていた。
黒い剣が繰り出されると、黄金の剣が行く手を阻む。
青い剣が繰り出されると、白銀の剣が行く手を阻む。
《黒の剣士》は燐光を立ち上らせて戦っていた。その移動はもはや足を使った移動ではない。《心意》を使った《光の翼》による瞬間移動だ。だが、目の前に対峙する真っ白な魔剣士は、それにすら余裕でついてくる。
「ほらほら、どうしたんですかー。もっと本気出してくださいよ!」
「くそっ!」
ころころと鈴の音を鳴らすように笑う、白い少女――――ホロウ・イクス・アギオンス・スプンタマユはその性格と外見からは想像もつかないほどの恐るべき使い手だった。
黄金と白銀の一対の長剣、《ハルワタート》と《アムルタート》。双子のように鏡写しのこの二刀は、サイズ的には片手剣ではなく両手剣……それも、《大剣》の部類に入るだろう。
だが、彼女はそれを片手ずつで握って振るうのだ。それも、キリトですら時折視認できない凄まじいスピードで。
スピードの速さなら、キリトの恋人であり、今後ろで眠る《閃光》アスナや、かつて剣を打ち合わせた《絶剣》ユウキも速い。だが、ホロウの場合、それとは……何というか、『土俵が違う』のだ。
なるほど、純粋な技を出すスピードや反射神経ならば彼女たちが上だろう。だが、ホロウはまるで『総てが見えているかのように』あらゆる行動を先回りし、迅速に技を繰り出してくる。キリトが通常剣技、ソードスキル、心意技……あらゆる剣技を繰り出したその時には、すでにホロウの剣は動いている。それも、きっちりとキリトの剣に対応するように。
恐るべきはそのスピードが、ソードスキルにも心意にも一切ブーストされていない、通常攻撃であるということだった。彼女は明らかに異常な実力者だ。それに今、どう考えても彼女は手加減をしている。手加減は非常に難しい。「自分は手加減ができませんよ」という慇懃無礼なセリフをいう人物は古今東西様々な作品にいるが、あれはただの暴言であるだけでなく、実際に「難しい」ことなのだ。
それをこの純白の少女は、平然とやってのけているのだ。
――――もし本気を出されたら、自分は負けるかもしれない。
――――いや、それでも!!
「それでも、負けられないんだ……ッ!!」
そうだ。負けてはいけないのだ。
倒れたら、立ち上がる。
剣が折れたら、また新しい剣を取る。
何度でも。いつまでも。自分は、立ち上がれるのだから。
『さぁ、行こう、キリト!』
その瞬間。
誰かの声が、聞こえた気がした。
同時に、キリ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ