マクロスF
0801話
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と目を通す。
「色々と新メニューが出てるな。俺はこのミュートスの息吹ってのを貰おうか」
「じゃあ、私もそれで」
ミュートスの息吹。言うまでも無く、バジュラ本星と呼ばれていたこの惑星の新しい名前を入れた新メニューだ。
注文を聞き、早速クレープの生地を焼き、生クリームや各種果物を入れて包み込む。
この辺のどこがミュートスの息吹なんだか分からないが、まぁ、新メニューというのは得てしてそういうものだしな。
ただ、使われている材料に関してはありふれてはいたが、味に関しては相変わらず絶品と言っても良かった。生クリームの濃厚な甘みと、果物の酸味と爽やかな甘さ。チョコレートソースは甘みよりも苦みを強くしており、クレープ全体が甘ったるくなるのを防いでいる。
「美味しいわね」
「ああ。相変わらずいい味だ」
その味が気に入ったのだろう。レモンが笑みを浮かべながら短く賛辞を漏らす。
この味なら……
「良ければホワイトスターに店を出してみないか? ホワイトスターには交流区画といって、異世界の住人が交流したり交渉したりする場所がある。そこには色々な世界の食堂や喫茶店といったものがあるんだが……」
その言葉に、店主は即座に首を横に振る。
「悪いけど、俺の故郷はあくまでもフロンティア船団……延いてはそのフロンティア船団が移民を始めたこのミュートスなんだ。折角の話だが、俺はここでやっていくよ」
「……そうか」
この味は十分に他の世界でも通じる味だと思ったんだがな。
さすがに本人が嫌だと言っているのを、無理に出店させる訳にもいかないか。
まぁ、ここに来れば食えるんだしな。
そう判断し、クレープを食い終わった俺とレモンは再び街中の探索を続ける。
デストロイドが土木工事をしている場所もあったが、この辺は俺達シャドウミラーと大して違わないな。
そんな風に思いつつ店を見ながらあちこちを歩いていると、ふと街中の映像モニタに見覚えのある顔が映し出される。
それは、フロンティア船団の救いの女神とも呼べる存在であるランカ。その後ろにはエルモの姿もあった。
シェリルが今は歌手活動を休んでいるからな。それに、エルモは元々ランカのマネージャーだったと考えれば、この組み合わせはある意味当然だろう。
……そう言えば、シェリルの件もそろそろ発表する頃合いだな。
そんな風に考えていると、不意にレモンに引っ張られて再び街の散策へと戻るのだった。
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