暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0801話
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紙に包んでいる店主の老人に向かってレモンが告げると、嬉しそうな笑みを浮かべて口を開く。

「紙の本を欲しがる人というのは珍しいですな。……どうぞ」
「ありがと。また機会があったら寄らせて貰うわ」

 カードを使って支払いを済ませ、店の外へと出る。
 辞典の如き技術書なんだから当然重く、すぐに人に見られない場所で買った本は空間倉庫へと収納される。

「さて、次はどこに行こうかしら。出来ればアクセルのお勧めの場所を教えて欲しいところなんだけど……」
「アイランド1内ならまだしも、ここは普通に現在建設ラッシュ中だしな」

 元々、都市化をしている場所の様子見という意味も込めてのデートでもあるから、俺の馴染みの店が云々といったところで当然ある訳がない。
 ……そう、思っていたのだが。

「あったよ」

 ふと漂ってきた甘い香りを辿って見つけた店に、思わず呟く。
 店とは言っても、普通の店ではない。移動販売車のような感じの店だ。
 俺とシェリルがアイランド1内でデートしたりした時に幾度となく食べたクレープ屋の屋台。

「うん? ああ、クレープね。丁度いいから食べてみる? 幸い人は殆ど並んでないみたいだし」
「……そうだな」

 幸か不幸か、今の俺の姿は10歳の容姿だ。15歳の俺しかしらない向こうでは分からない筈。
 そう考え、レモンと共にクレープ屋へと向かう。

「いらっしゃい。ん? おお、久しぶりだな。今日は何にする? にしても、今日連れている女も美人だな」

 だが、クレープ屋の店主が告げてきたそんな声に、思わず目を見開く。
 今何て言った? 久しぶり? これはつまり……

「俺が、分かるのか?」
「当然だろ。お得意さんをそうそう見間違えるわけないだろ」
「……いや、今の俺を見てそう思うのは、明らかにおかしいんだが」

 このクレープ屋を利用したのは15歳の容姿でだ。なのに、何故今の俺の判別がつく?

「だから言っただろ。お得意さんを見間違えるというのはありえないんだよ。……にしても、色々と忙しいだろうに、遊び歩いていていいのか?」

 なるほど、15歳の容姿の俺を今の俺と結びつける事が出来るのなら、当然15歳の俺をシャドウミラー代表でもあるアクセル・アルマーと結びつけるのは難しくないか。
 にしても、凄いなクレープ屋。こんな風に相手を見分ける能力とか必要なのか?

「まぁ、いいさ。そっちの美人もお前さんの知り合いだろ? 何を注文する?」
「へぇ、随分と面白い人ね。今の言葉からすると、私やアクセルの正体を知っているのに何を言うでも無く注文を聞いてくるの?」
「クレープ屋がそれ以外に何をしろと?」

 何故か呆れた目でこっちを見てくるクレープ屋に、小さく溜息を吐いてメニューへ
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