第四十五話 帝国の実力者
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てまた一難ですな。ここで失敗しては元も子もない」
私が続けると皆が頷いた。今回発令された法は貴族にとって決して不利とは言えない内容になっている。平民達にとっては納得しかねる部分も有るだろう。だが平民達に暴動などを起こされては今度は貴族達が硬化しかねない。一旦受け入れた連中も撤回を言い出しかねないのだ。詰めを誤ることは出来ない。
「此処はブラウンシュバイク公に説明して貰いたいのだが」
リヒテンラーデ侯が幾分遠慮気味に発言すると皆が公を見た。已むを得ない事だ、平民達は公が平民階級出身である事、改革の担い手である事を良く理解している。そして少しずつではあれ貴族達の横暴を抑え平民達の権利を拡大している事もだ。公が広域通信で説明すれば平民達は多少の不満は有っても仕方無いと納得はしてくれるだろう。もちろん、公にとっては不本意で面倒な仕事では有る。公は政府閣僚ではなく軍人なのだ、担当外という思いも有る筈だ。リヒテンラーデ侯が気遣うのもその辺りの事を思っての事だろう。
「分かりました、私の方で説明します」
公は不機嫌になるでもなくごく普通に答えた。ホッとしたような空気が応接室に流れる。
「その代わりと言っては何ですが一つお願いが有ります」
皆が公に注目した。やはり簡単には終わらない。
「捕虜の交換を実施して頂きたいのです」
捕虜の交換? 皆が顔を見合わせた。
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